この町でぇぇ一番んーんんステキで暮らしたーーい〜〜〜!
はい、あの町この町田町!
田町新聞に新しく配属されましたノグゾーンです。
最近Twitterの中の人も始めました。よろしくお願いいたします。
肌寒い秋風に負けじと、吉幾三が泣きながらTSUGARUしてしまう程度には懐へ冷たい風が轟々と入り込んでくる新人ですが、日課のブラタマチ(注:ぶらり田町旅)していたところ、とある看板にぶつかりました。
んん? コスパ最強店……!?
駄菓子か!
チューハイ150円、おつまみ50円はどう考えても安い。
これ本当なのか……? 一品二品この値段帯のものがあって他は高いとか、チャージ料があるとか、品質に問題があるとか……
と、あらゆる可能性を勘ぐりながら、看板の矢印方向を見上げてみると、
煌々と輝く“ドラム缶”の文字
「ドラム缶」との看板が。男臭い感じ? 荒っぽい感じ?? 令和時代に昭和プロレス的な何か??? この建物の2階ですね。
早速、急な階段を上がっていきます
足腰にダメージを負いつつ、扉を開けると……
どどどどどどどど、どーーーーっ
ドラム缶です。そのまんまですね。
貨物船が発着する波止場かっていう。
もう既に一杯やってるお客さんたち。カウンターで飲むのも良いですね
お客さん迎え撃つ気満々のドラム缶
まぁ、あの、謎は全て解けた。
ドラム缶をテーブルとして使っている立ち飲み屋なんですね。それで店名もドラム缶。そのまんまかい。ドラム缶を売ってるわけでも、それで殴られたりするわけではなさそうです。安心しました。
さりげなく添えられたコメントが、まさかの全品ツッコミ待ちという定番メニュー
一気に不穏な空気を醸し出す張り紙
んん、これは、どういうメニューなんでしょうか……。やはり油断すると、ドラム缶に詰められたりするんでしょうか。これで何か起きても安心です。
メニューの半分以上が100円台、高くても300〜400円くらいじゃないですか。これは安いなぁ。
ここまで来ると、価格というドラム缶で店長の方が殴られて流血している疑惑が。
お話を伺ってみましょう。
店長さーんご無事ですかーーーーっ!
どどどどどどどど、どーん!
『ドラム缶 田町店』店長の「団長」さん。
いきなり、名前ややこしいですね。
ご無事でした。
そして、もう1人、
どどどどどどどど、どどーーん!!
この声が~~~枯れるくらいに~~~ぃ〜〜!!!
のサ〇ケではなく、調理担当の「タスケ」さん
田町新聞
「店内を拝見させていただいて、メニューの値段が全品激安だということは分かったのですが、もしかしてチャージ料があったり、品質に問題があるものを使ってたりしませんかーーーっ! ダーーーッ!!」
団長
「どういうノリなんですか。チャージ料もありませんし、品質に問題があるものも一切使っていません。値段表そのまんまです。独自の仕入れルートや様々なコストカットによって、びっくりするような低価格を実現しています。安くて美味しい立ち飲み屋ですよ」
田町新聞
「そうでしたか、安心しました。ドラム缶がいっぱいあるし、安すぎてルール無用の危ない店かと思いました」
ドラム缶 田町店 ルールブック
団長
「むしろ、ウチはルール無用というより、『みんなで楽しく飲みまくる』店にしたいっていう大きなルールがあるのですが(笑)。飲み屋はやっぱりこれが一番です」
田町新聞
「なんですか、この愛にあふれたルールブックは……! 先ほど階段登ってきたんで、『危ないから階段では絶対手すりを掴むんだぞ』っていうメッセージに団長さんの優しさを感じました。飲んだ帰りが心配ですよね」
団長
「保険でね。本当に危ないぞっていう(笑)」
田町新聞
「しかし、ドラム缶を地べたに並べて、メニューがベタベタ壁に貼ってあってと、ワイルドな店内ですね。いつオープンされたんですか?」
団長
「今年の2月25日にオープンしたばかりです。内装は、これでもかと居抜き感を最大限活かしていますね。低コストです(笑)」
田町新聞
「物は言いようですが、お二人でやられてるんですか?」
団長
「はい。タスケが料理する方で、僕はチャチャ入れる方です(笑)。『これちょっと味ちがくね?』とか、『これいいね』とか(笑)。20年一緒に同じ会社でサラリーマンやってた同僚なんです」
タスケ
「そうですね。20年くらい。僕、前の会社はちょっと間離れてた時期もありましたけど」
田町新聞
「同期だったんですか?」
団長
「同期ではないです。僕が1つ早い入社で、相方のタスケがその後。1999年入社と2000年入社ですね。年齢は、僕の方が下なんですけど。で、2人で脱サラして」
田町新聞
「脱サラで同僚と独立開業……! アツい展開ですね」
団長
「そもそも入社当初から『何かやりたいね』って、タスケとよく飲みに行ってて。その『いつの日かやろうぜ!』ってタイミングが今だったんです。ちょうど会社の体制が変わって、『じゃあちょっと本気で考えよう』って。1年半くらい、どういうことをやろうかって考えてて。タスケも気持ちは同じで」
手書きのメニューが人情味にあふれています
田町新聞
「ガ○アの夜明けのテーマが」
団長
「同じ部署にいたんで、2人一気に辞めるのはおかしいから『ちょっとタイミングずらそう』とかしてね。2人とも“飲食やりたいなぁ”っていうのはあって、相方はラーメン屋をずっとやりたいって言ってて、僕は居酒屋やりたいなと。ラーメン屋って設備費用がすごいかかるんですよ。1,500万円くらいとか。それはちょっと無理だねっていう話をしてて」
気さくで優しい団長さん。前職は、IT系の保守サービス部門にいたそう
団長
「たまたまドラム缶の他店舗を見つけて“何だこのドラム缶って?”と飲みに行ったらすごく安いわ、いろいろ開店サポートするよと。ラーメンじゃないけど客商売だし、『じゃあコレにしない?』と2人で意気投合して、居酒屋でスタートさせてみようとなったんです」
ドラム缶 田町店。駅から少し離れた立地だけど、その安さと明るい雰囲気にリピーター客多し
「立ち飲み居酒屋 ドラム缶」は、2016年に東京都・日本橋茅場町に1号店を出店。その後設立された株式会社ドラムカンパニーが「のれん加盟店」を募集し、全国に展開する居酒屋チェーンだそう。ちなみに港区は、この田町店が初出店とのこと。
ちなみに、ドラムカンパニーのホームページでは、出店可能エリアは「地球」となっております。万歳。
田町新聞
「では、いよいよ貯めてた資金を投入して」
タスケ
「貯めてないんですけどね(笑)」
団長
「そこは退職金でドカッと一発で(笑)。決め手は、僕らが飲食のノウハウは何もないし、お店の出し方も分からない、何したらいいの?っていうところできっかけになったのがドラム缶だったんです」
田町新聞
「超低コストの“のれん加盟”システムかぁ。最初のハードルが低くて、自分のお店を持てそうっていうのはいいですね。なぜ田町という場所を選んだんです?」
団長
「僕が某田町のところで3~4年かな、仕事してたんですよ。その時に田町の街並みは知ってて、人の流れがスゴくあるな、いいところだなって思っていて。そもそも大田区の大森辺りに出したいと思っていたんですけど、なかなか大森が待てど暮らせど全然いい物件が出なくて。“ないかなぁ~”って思っていた時に、田町が出てきて、今の物件を見に来て『いいんじゃない?』と決めました」
田町新聞
「壁に所狭しと貼られた手書きのメニューは、団長さんが書いたんですか?」
テキトーに書いたというメニュー。「コロッケ」にナチュラルに“くりかん”とだけ書くのはやめて。あと「冷ややっこ」に“消しゴム”は最低です。僕らの食欲返してください。「厚揚げ豆腐」に“消しゴムあげ”はもっと許しません
団長
「そうですね。他の店舗もこうやって何かしらコメント書いてるんですよ。書いたけどもう忘れちゃう感じ」
田町新聞
「脊髄反射か」
左から、人気のガリチューハイ300円、取材日のおすすめメニュー冷凍レモンチューハイ200円
田町新聞
「お店のシステムもお伺いしていいですか」
団長
「皆さん、このカゴにあらかじめお金を入れておいて、ご注文の都度、僕がお代分をいただく感じです。3~4人来ると1人1,000円入れてみたいな。だいたい1,000円ちょっとくらいで十分飲めちゃいますよ」
投げ銭式です。飲み物の注文は、グラスが空になってから!
左から、チーズささみフライ200円(取材日のおすすめメニュー)、魚肉ソーセージ丸揚げ150円、具なし焼きそば50円、枝豆100円
団長
「皆さん、通常メニューより日替わりのおすすめメニューに目がいきますね。2~3日に1回来る方もいて、要は通常メニュー食べ飽きちゃうんですよ。どっちかっていうと、おすすめ品を充実させるようにしてます」
日替わりのおすすめメニュー。その日思い付いたものを提供しているんだとか
田町新聞
「逆に言うと、皆さん一度来るとリピーターになるから通常メニューはすぐ一巡しちゃうんですね!」
団長
「ありがたいことにリピーターさんはかなり多いですね。おすすめメニューは僕とタスケが順番に日替わりで考えています」
田町新聞
「魚肉ソーセージ丸揚げには蒲田店限定って書いてありますけど?」
蒲田店限定? 魚肉ソーセージ丸揚げ。デカシ
団長
「このソーセージを出している蒲田店と仲良くさせてもらっていて、蒲田店の人が『田町も出せば?』って言ってくれて出し始めたんですね。だから、魚肉ソーセージ丸揚げは田町と蒲田にしかないんです」
タスケ
「具なし焼きそばもオススメです。僕の発案なんですが、最初はたまにしか出してなかったんですけど、お客さんから『毎日やってよ』という声が大きかったので定番メニューにしました。具なし焼きそばも話題になればいいなと50円です。お値段は相当頑張っています。こういうメニューがちょっとずつ増えていけばいいかなと。僕は料理担当なので、その日思いついたものを用意してるんですけど、毎日ころころメニューを変えてレパートリーは増やしていきたいですね。お値段は相当頑張っています」
田町新聞
「2回言った」
麺の塊でしかない焼きそばを持って満面の笑みを浮かべる団長。もう一度言います、具はありません。50円
厨房で声を掛け合いながら作業する2人。「たぶん一緒に経営していく上で、友達じゃできない。今も昔も仕事の仲間っていう感じ」と団長
田町新聞
「明るいお二人につられてか、お客さんも肩の力が抜けて、知らない人同士でも気軽にコミュニケーションを楽しんでいる気がします」
団長
「確かにみんなフレンドリーというか、やっぱり結構続けて来てくれるお客さんが多いですね。そうすると、自然とお客さん同士で仲良くなって。このお店、なかなか発見できないじゃないですか? せっかく発見して、急な階段を上がってきてくれたんだから、楽しんでもらいたいですよね」
タスケ
「みんなが楽しんでもらえれば、それでいいっすね。地元への貢献というか、当然それもしたいですね」
終始明るい2人にお店の雰囲気も風通しがいい。そんなムードの中、知らないお客さん同士が自然と仲良くなることも立ち飲みの醍醐味
団長
「地域密着で、この辺の人を盛り上げたいねっていうのが大きいかな。でも、既にもう地域密着になってきているというか、この辺に住んでいる地元のお客さんが結構多いかもしれないです。芝浦から15分歩いて来てくれる人もいますし、ありがたいですね。そういう人たちが増えてくればいいかな。来た人がいい思いしたら『ここにこういう店あるんだよ』って言ってくれて、徐々に繋がればいいなって思いますね」
田町新聞
「ありがとうございます! ああああ〜〜今日もいい話聞けたなぁ。田町新聞もここらで失礼して……」
グビッ
ぐうううぅうぅぅ……沁みわたる。仕事終わりのチューハイ最&高……
ん?
んん……?
“Tamachi Brother’s Set”……??
ハッ……
田町新聞
「お…おまえはっ!!」
To Be Continued……
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令和初占い! せんべろ居酒屋に田町の占い師、また現る!!http://tamatch.com/191004tamachibrother02.html/
立ち飲み居酒屋 ドラム缶 田町店
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立ち飲み居酒屋 ドラム缶 田町店
東京都港区芝5-12-10 2階
080-5427-3401
営業時間:16:00~24:00(月~金)、15:00~22:00(土)
定休日:日・祝祭日
Twitter:https://twitter.com/drumkantmc
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