港区立三田図書館などが入った「札の辻スクエア」。こちらの9F、10F、11Fに「港区立産業振興センター」という施設があるのをご存知ですか?
とくにスタートアップや中小企業のみなさんにオススメの施設。2022年4月オープンの区の施設で、当初はあまり知られていなかったようですが口コミを中心に徐々に人気が広まっていて、利用者も増えています。ちなみに近隣の区の同様の施設はキャンセル待ちも発生しているそう。「気になる方はいまのうちにチェック・登録を!」ということで、地元のみなさんにあらためて紹介させていただきます。
取材対応いただいたのは、港区立産業振興センターを運営する株式会社キャンパスクリエイトの小野寺さん。
小野寺さんによると港区立産業振興センターの特長は大きく3つあるとのこと。
まずひとつ目が「登記もできるコワーキングスペース」。9Fにあるコワーキングスペースは、全面に芝生のような緑色のマットが敷かれた優しい空間。席と席の間隔も広く、ゆったりと仕事ができそうです。イベント時などに飲酒ができるカウンタースペースもあり。
無料のWi-Fiや電源が完備されているのはもちろん、ホワイトボードやディスプレイなども借りられます。
簡単な登録を行えば、誰でもすぐに利用可能。個人なら1時間450円、1日1,800円、1カ月1万8,000円、法人は1カ月1万8,000円、登記する場合は1カ月2万3,400円と価格もお手ごろ。
その分、利用時間が短いのでは・・・と思いきや。月曜日~土曜日(祝日を含む)は午前9時~午後9時30分まで、日曜日は午前9時~午後5時までオープン。年末年始の2日を除けば祝日も含めて毎日利用できるそう。さすがに民間のコワーキングスペースと比べると夜遅くまでは利用できませんが、(体を壊さないためにも)十分ではないでしょうか。
コワーキングスペース内にはビジネス書をはじめ、AIやファッションテックなどに関する専門的な技術書も用意されていて、自由に読むことができます。
また、奥には登記する法人向けにポスト付きロッカー(内部に電源も完備!)があるほか、通話や会話NGで集中して作業ができる個室ブース、会議室も用意されています。
港区立産業振興センター2つ目の特長が「クリエイティブの最新機器がそろうラボ」。港区の強い産業をさらに伸ばしていく、という意向からファッションテック・AI・3DCG関連の機器が豊富に設置されています。
まさにラボといった近未来的でかっこいい空間なのもテンションが上ります。
例えば、ファッションテック関連では、服の型紙をスキャンしてデータ化できる「パターンスキャナー」やCADソフトが入ったパソコン、CADデータをプリントし、型紙として利用できる「カッティングプロッター」。巨大なプレス機や最大10色まで糸が使え鮮やかな刺繍が自動でできる「電子刺繍ミシン」など。ハイスペックな機械がズラリ。
他にも巨大なポスターを印刷できる「UVプリンター」や木材やアクリルなどの素材をレーザー照射により輪郭をカット・表面に彫刻できる「レーザー加工機」、1,000万色以上のフルカラーと超精巧な造形が可能な「フルカラー3Dプリンター」など。スタートアップや中小企業ではなかなか用意するのが難しい、ハイスペックで高価な機械がたくさん並んでいます。
動画の撮影やVR/ARと呼ばれるXRコンテンツを作成・体験できる部屋まで完備。
しかも驚きなのが、先ほどのコワーキングスペースの利用料を払えば、これらの豪華な機器・設備を利用できてしまうとのこと!もちろん、一部の機械は材料費などがかかりますが、それでも破格と言えます。
そして、港区立産業振興センター3つ目の特長が「格安で借りられる貸し会議室・ホール」。
10Fに会議室と研修室、ワークルームが、
11Fに大小2つのホールがあります。小ホールではちょうどイベント開催中でした。貸し会議室等では港区立産業振興センターが企画するイベントも定期的に行われています。
いずれもスクリーンやプロジェクター、ホワイトボードやマイクなどの設備も完備。オープンしたばかりなのでキレイで快適なのはもちろん、こちらも格安!例えば、定員30名の会議室、区内団体が非営利目的で利用する場合午前(9:00~12:00)の3時間で1,300円!営利利用の場合も倍の2,600円で利用できます。ちなみに区外の団体も利用可能ですが、その場合はさらに倍の価格となるほか、予約も区内団体(区内中小企業者など)が優先されます。
つまり、港区のスタートアップや中小企業なら利用しない手はない!というわけ。同じ建物の4〜6Fには図書館が入っていて資料探しに最適なほか、8Fには港区の産業振興課が入っているので、融資の相談などもしやすいなど、ほかにもまだまだたくさんの魅力があります。気になった方はまず見学に行ってみてはいかがでしょうか。