今年4月、芝浦に「葉っぱ研究所 Folium」というサロンがOPENしていました。
え?はっぱたi・・
じゃなくて、はっぱけんきゅうじょ?
編集長から「ハーブティーとかアロマを学べる教室みたいだよ」と聞き、今回は副編集長のふくへんが向かうことに。
個人的なことですが、ひと昔前ふくへんはハーブティー屋とアロマショップでバイトをしていたことがあり・・(オタとして)興味ありまくり!葉っぱ研究所という名前から(マニアックネタを)期待しつつ、いったいどんな研究所なのか探りに行ってきました!
葉っぱ研究所 Folium(フォリウム) 所長 村尾さん
田町新聞
「所長!こちらではどんな葉っぱを研究されているんですか?」
村尾さん
「元々は青山で「Folium(フォリウム)」という屋号で、お茶と調香の講師業をやっていたんです。お茶を教えたりオリジナルのブレンドを作ったり。デパートなどの催事で販売もしています」
田町新聞
「ってことはメインはお茶っ葉の研究?」
村尾さん
「研究というとちょっと大げさかもしれませんけど、お茶もこのパルファン(香水)も天然100%の植物由来で作っています。こういう植物の効能を生かして生活に取り入れていくという活動をしているんですよ」
田町新聞
「原料である葉っぱ(植物)を学ぶ学校のような・・?」
村尾さん
「教室・・ですかね。なんで研究所っていっちゃんたんだか(笑)最初はお茶だけだったんですけど、始めていくうちにもっと包括的に植物のことを語っていきたいなと思って、葉っぱ研究所。将来的には化粧品も作っていこうと準備を進めています」
田町新聞
「葉っぱのお茶に香水に化粧品・・十分研究所だと思います!でもなぜ青山から移転してきたんですか?」
村尾さん
「わたしが田町が好きなんで(笑)」
田町新聞
「まさかの田町愛!?」
村尾さん
「元々川辺(運河)が好きで、大学も会社もこのへんだったので田町に家を持ちたくて、5年前から芝浦に住んでいます。青山でようやく軌道に乗ってきたなと思って今年の4月に念願かなって仕事場も田町に移しました」
田町新聞
「ふつう田町と青山、逆な気がするんですけど(汗)」
村尾さん
「わたしは逆なんです(笑)
芝浦アイランド前の運河が好きでよく遊歩道を歩いています。あと夜になると橋が青く光ってキレイですよ。やばいくらい美味しいフレンチのお店(Le Corbeau)もあるし・・」
田町新聞
「田町愛がビシビシ伝わってきました(笑)
このお仕事を始めたきっかけってなんですか?」
村尾さん
「会社に入ってから忙しすぎて体調を崩しまして。そのときに薬じゃなくてお茶とかハーブティーっていうのは未病によくて、心と体の両方を助けてくれるというところに気づいたんです。もうちょっと極めて外に発信していこうと思ったのがきっかけですかね」
田町新聞
「好きなことを仕事にするのって難しそうですがどうやって・・?」
村尾さん
「まず自分も学校に習いに行きました。いまでも習いに行っています。メディカルハーブの学校とか、アロマパルファンというのは調香技術なんで、香りの種類って世界に何千とあるんですが、学び続けないと追いつかないんですよね。あと陳腐化してしまう。」
ティーコンシェルジュ協会の青山校の校長兼、
アロマパルファム協会の認定講師兼、
JAMHA(日本メディカルハーブ協会)のハーバリストでもある村尾さん
田町新聞
「扱っているお茶は、ハーブティー、紅茶、日本茶、中国茶、台湾茶・・コーヒーまで?」
村尾さん
「お茶の定義って難しいと思いませんか?
コーヒーを飲むときにお茶するっていうけど、コーヒーって豆ですよね。ハーブティーもお花なので茶葉じゃない。お茶って大きな概念で考えると植物性のものを水に浸したもの、その溶液だと思っていいと思うんです。広く考えるか狭く考えるかなんですけど、ここではお茶を幅広くとらえています」
有機栽培(オーガニック)をはじめ無農薬にこだわったお茶ばかりでどれも美味しそう・・。
きれいな青いお茶で話題になったバタフライピーやマローブルーも発見!
田町新聞
「Tea(ティー)講座ではどんなことをするんですか?」
村尾さん
「毎回テーマがあって、例えばハーブの定義ってわかりますか?」
田町新聞
「薬効のある植物的な・・」
村尾さん
「いいと思います」
田町新聞
「え、“あると思います”じゃなくて、“いいと思います”・・??」
村尾さん
「実はハーブって明確な定義が示されていないんですよ。スパイスとハーブにも境界線がないんです。ほぼニアリーイコール。そういう豆知識的なことを学んでいったりだとか、あと薬機法(旧・薬事法)があるので、効くとか効能があるって言っちゃいけないんです」
田町新聞
「ああ~、それであるとは言えなかったのね(汗)」
村尾さん
「ただ歴史的に薬効があるという伝説はいろいろ残っていて、実際に研究しているところもあります。昔ペストが流行った時に泥棒がペストが流行った村に盗みに入ったと。ふつうはそんなところに行ったら感染しますけど、その盗賊は次々と盗みに入っても感染しなかった。実は秘伝のお酢をからだに塗りたくって感染を予防していた、という有名な話があるんです。それはどんなお酢かというと、ただハーブを漬け込んでいたお酢なんですよ」
田町新聞
「すごいけど酸っぱそう・・(汗)」
村尾さん
「基礎講座ではそういった豆知識的なお話プラス今日のお茶を2種類ずつ一緒に飲みながら勉強していきます。プロ講座ではブレンドを作れるように。修了したらわたしと同じようにティーコンシェルジュになって教えることもできます。」
Tea講座の生徒さんは20代~50代くらいと幅広く、女性が多いけど男性も結構いるそう。
↓特別にプチ講座!
美味しいハーブティーの入れ方
1)最初にポットを温めてから、ティーメジャースプーンでハーブをとって入れる。
煎茶だとすり切り一杯(3g)だけど、カモミールの場合はふわふわしていて軽いので少し多めに山盛り1杯か1杯半。
2)お湯を口の細いケトルなどで、バリスタのように脇を締めて腕は動かさず手首を回しながら注ぐ。
日本茶や紅茶の場合はお湯を入れるとジャンピングするけど、ハーブは軽いものが多いためお湯を入れた瞬間に上に浮かんでしまう。そのままだと当然浸出しないから、お湯で回して混ぜてあげる必要があるそう。
スプーンなどで無理に混ぜると、茶葉が傷んでお茶にえぐみが出てしまうのでNG。
3)カモミールなどの花や葉っぱは3分、豆系と根っこ系は5分蒸らす。ブレンドの場合は経験値とどういうお茶にしたらいいかで、3分のままか4分にした方がいいのか決めるそう。
時間通りに蒸らしたら完成!!
田町新聞
「でもハーブティー屋さんってなかなか無いですよね・・」
村尾さん
「日本ってハーブが流行りづらいんです。文化的にアメリカ寄りじゃないですか。アメリカの予防医学はサプリメントで、ヨーロッパの予防医学はアロマとかハーブなんです。流通も圧倒的にサプリメントが多くて、ハーブティーはいいものが入ってきづらいんです。あと有機栽培などいいものじゃないと美味しくないんですよ、ハーブティーって」
保管方法も大事で、透明なビンに入ったハーブは見た目オシャレだけど、光で劣化してビタミンとか栄養分がどんどん抜けていくのでNG。酸素や湿気が出入りするのもNG。
村尾さん
「わたしもいいお店を探しているんですけどなかなかなくて、仕方ないから自分で売ってるんです(笑)」
村尾さん監修のオリジナルルイボスティー(有機JAS認定を受けた茶葉で遮光パッケージ入り)※他にもオンラインでさまざまなお茶を販売されてます
あとで編集部でいただいてみたら、すごく香りがよくてびっくり!
一年中アイスコーヒーばかり飲んでいる編集長も気に入っておかわりしてました(笑)
田町新聞
「Parfum(パルファム)講座の方はどんな内容なんですか?」
村尾さん
「アロマパルファンという言葉はアロマパルファンヌ協会の商標なんですけど、アロマ(精油の芳香)とパルファン(香水)をかけあわせた造語。合成香料は使わず、天然の100%本物の精油を使って調香をしています。一部食べられるくらいクオリティが高い精油をフランスやオーストラリアから輸入していて、そういった原料の説明や、香水やルームフレグランス作りのノウハウを教えています」
田町新聞
「こっちもこだわりがすごい(ワクワク)」
村尾さん
「植物って性格があるんですよ」
田町新聞
「え、成分じゃなくて性格・・?」
村尾さん
「オーストラリアに自生するユーカリという植物は、主成分は1.8シネオールでスーッとした香りですといえるんですけど、こないだオーストラリアの山火事ありましたよね。原因のひとつがユーカリと言われているんです」
田町新聞
「ユーカリが犯人??」
村尾さん
「ユーカリの葉っぱにはたくさん油分が含まれていて、葉っぱ同士がこすれ合うとその油分で燃えるんです。でもおかしくないですか?植物って生きたいのになんでかんたんに燃えちゃうのって思いません?それには理由があって、この子達葉っぱだけは燃えるけど幹は燃えない強い子なんです。燃えると種をはじけさせて遠くに飛ばせるから、そのために自分で火をつけるんです」
田町新聞
「ちょっ、ワイルドすぎーーー!」
村尾さん
「自分たちだけ生き残るために周り関係なしに燃えちゃうんです。ユーカリって人に例えると超ポジティブな自己中人間ですよね。というように植物には成分もあるけど、性格もあるんです。例えば「人前で意見を言えなくて・・」という人には、「もっと自分の意見を言えるようわがままになってみましょうよ」ということでユーカリを入れた香水を作ってみたり」
田町新聞
「面白い!緊張しがちな編集長に良さそう(笑)」
ちなみに編集長からは「ふくへんはユーカリを入れない方がイイネ」とクギを刺されました(汗)
村尾さん
「人って本能と理性の脳があるというんですけど、どっちの脳が勝つと思いますか?」
田町新聞
「うーん、本能を常に理性で抑えている感じが・・」
村尾さん
「正解でございます!」
田町新聞
「やった!!」
村尾さん
「例えばデパートで「これ欲しいな」と思った時に店員さんから「いえ、いまの流行はこちらです。痩せて見えて・・」と色々言われたらだいたいの人は勧められた方にいっちゃうんです。なぜかというと本能が理性に説得されちゃうんですよ。ただあまりにも理性に押しつけられ続けると、脳は自律神経につながっているので本能と理性で不一致が起こりすぎて体調不良が発生するんです」
田町新聞
「ええーーそうなんだ!」
村尾さん
「鼻は本能の脳に直結しているから、いい香りだなと思う本能と理屈が合ったときがベストなんですよね。
さっきのユーカリの話ですが、「これスッキリして好きだな」と思うと同時に「ユーカリってこういう性格だからいまのわたしに合うんだな」と思って受け入れるといちばんいいんです。お茶も同じで、好きと思った香りで成分も納得して飲むとからだにいいです」
田町新聞
「おおーーなるほど。本能も理性も納得すると!」
村尾さんのトークが絶妙で、深夜のテレビショッピングのようにすっかり夢中になってしまった田町新聞。
Parfum講座の生徒さんは比較的若く、「調香」という言葉に惹かれて通う男性もいるそう。
田町新聞
「おじさんもいますか?」
村尾さん
「えーと、おじさんは少ないです」
田町新聞
「おじさんって繊細だしニオイも気になるお年頃なので興味ありそうですけどね・・」
村尾さん
「あると思うんだけどたぶん来る勇気ない・・わたしは大歓迎ですけどね(笑)
加齢臭対策や汗のニオイ予防にしても、人によるので自分用のアロマパルファンを作った方が絶対いいです」
田町新聞
「え、消臭って人によって違うの?誰にでも効くのって・・」
村尾さん
「ないです。(キッパリ)
化学成分を入れれば臭いを押さえつけることはできますが不自然になります。アロマパルファンはどっちかというとその人の体臭に合う香りで中和させるんです」
田町新聞
「体臭を完全に消すんじゃなくて中和させていい香りにするんですね。なんかピースフル!」
村尾さん
「精油だと合成の香水よりも周りに嫌われないんですよ。化粧品売り場でクサイって思うのは合成の香りだから。天然の香水ってもちは悪いんですけど、好き嫌いはあっても不快に思う人はいないです」
田町新聞
「嫌いと不快は別物・・?」
村尾さん
「自分はもうちょっと甘い方が好きとか、爽やかな方が好きとかあると思うんですけど、化学成分が入っていると脳に行くまでの間にフィルターがかかってしまうのでクサイと不快に思うんです。体調を崩している人って化学成分を取りすぎの人が多かったりします」
他に、好きな男性と嫌いな男性は香りでわかるという興味深い話も。
相性がいい人は無臭と感じることが多いそう。もしかしたら相手のニオイを本能的に受け入れているのかも?
田町新聞
「それぞれの講座はオンラインでも受けられますか?」
村尾さん
「はい。お茶も香水も受けられます。うちのサイトや、日本ティーコンシェルジュ協会や日本アロマパルファンヌ協会のサイト、ウェブサイトのストアカでも募集してますので」
田町新聞
「どんな人におすすめですか?」
村尾さん
「お茶とかアロマに興味がある人というのが基本ですけど、趣味で学びたい人、プロになりたい人、飲食や小売で業務用に使いたいというオーナーさんにもいいかと思います。」
実際に田町の美容室から注文があり、オリジナルで作ったルームフレグランスを卸しているそう。
また飲食店の場合、お茶をメニューとして提供したり、お店のオリジナル商品として販売することもできるそう。自分でいちから作りたいオーナーさんは習いにいってもいいですね。
田町新聞としてはどんどん田町のお店がコラボして、いい香りとお茶が広まるといいなぁと期待しています!興味のある方はぜひー。
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葉っぱ研究所 Folium(フォリウム)
港区芝浦3丁目17−11−308
https://salon.herb-folium.com/
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