かつて三田図書館として使用されていた建物に、2024年秋オープンした「みなとコモンズ」。そこに広がる“砂浜(をイメージした空間)”は、靴を脱いで寝転べるリラックス空間として親しまれていましたが、2025年春に役目を終えてクローズ──と思いきや、帰ってきました。夏限定で!!
その名も「夏休み砂浜開放」。8月4日から29日(土日と11日〜15日は休館日)までの期間、今度は小学生〜18歳までを対象に、再びこの砂浜空間が開かれています。
この取り組みを担うのは、2027年11月に浜松町駅前に開館予定の港区立みなと芸術センターの開館準備室。みなと芸術センターの“プレ事業”として、これまでみなとコモンズで行われてきた「居場所づくり」の流れを継承。今回は夏休みの子どもたちのためのスペースとして、リニューアルオープンしました。
ということで、開館準備室の杉田さんと藤崎さんにお話を伺ってきました。
「港区は共働き世帯の割合が高い地域。夏休みの間、子どもたちが安心して過ごせる場所が求められているのでは?という背景もありました」と藤崎さん。
対象を小学生〜18歳に絞ることで、子どもたちにとって“来やすい空間”をつくることを目指したそう。お昼ごはんもOK、靴を脱いでごろ寝もOK、アートにふれるのもOK。自由でちょっと特別な“サードプレイス”です。

夏休み砂浜開放に合わせて、青く波打つ床のグラフィックや照明演出など、空間も“より海っぽく”進化。



期間中は日替わりでアーティストによるワークショップを開催しているほか、日中はアーティストが常駐していて、ふらっと話したり一緒に遊んだりできます。
「アーティストって、子どもにとってはちょっと不思議な存在。でも、その存在にふれることで、自分の新しい一面を見つけたり、将来の選択肢が広がったらいいなと思っています」(藤崎さん)
そんな言葉のとおり、ワークショップの内容も“表現の入り口”になるようなものが中心。ジャンルはダンス・音楽・レゴブロックの3つ。からだを動かしたり、音を鳴らしたり、正解のない世界で遊ぶ体験を楽しめます。

取材時に開催していたのは、ワークショップ「なんでも音楽になっちゃう部屋」
最初は緊張気味だった子どもたちも、気づいたらリラックスしてアーティストさんたちと触れ合って楽しそうにいました。子どもがいっさい寄りつかないおっさん編集長は、そのテクニックをワークショップしてほしい…
レゴ認定プロビルダー・三井淳平さんによる「レゴ®ブロックで『劇場』を作ってみよう」というちょっと変わり種のワークショップも。レゴで未来の芸術センターを組み立てるなんて、想像するだけで楽しそう。というか、参加したい大きな子どもも多そうです 笑
すでに夏休み砂浜開放を利用した子どもたちからは、「図書館だと中でごはんを食べられないし、話せないけど、ここは飲食もできるし、走り回れるからうれしい」なんていう声も聞かれたそう。今年は猛暑(というか酷暑)ですし、子どもたちがふらっと訪れて、無料で涼しく快適に過ごせる空間がまちのど真ん中にあるって、実はすごいありがたいことなのかも。そして、ここでの小さな体験たちが、いつか大きな波を起こすかも(砂浜だけに…)

8月29日で夏休み砂浜開放は終了予定。ですが、こちらの建物は、大人向けの参加型リサーチプログラムなど、今後もさまざまな企画で使用される予定。みなと芸術センターの開館に向けた動きは、今後もここを拠点に続きます。
この夏、小学生から18歳だけの特別な“砂浜の自由時間”、訪れてみてはいかがでしょうか?

港区立みなと芸術センター整備に向けたプレ事業 「夏休み砂浜開放」
開催日時:8月4日~8日、18日~22日、25日~29日
各日10時~17時/休館日:土曜、日曜、11日~15日
会場:港区芝5-28-4 旧三田図書館3階「みなとコモンズ」
Web:https://www.kissport.or.jp/event/info/?id=79209
Instagram:https://www.instagram.com/minatoartscenter/
主催:港区
企画制作/問合せ先:みなと芸術センター開館準備室(03-6809-3631/平日9:30-17:00)