ここ田町で沖縄の伝統芸能「琉球舞踊」を守り伝えている姉妹がいるのをご存知ですか?今回は「赤嶺姉妹 琉球舞踊教室」にお邪魔して、琉球舞踊の魅力やおふたりの活動についてお話を伺ってきました。
琉球舞踊家の赤嶺姉妹(右が姉の奈津子さん、左が妹の真希さん)。
国指定重要無形文化財である琉球舞踊。沖縄の踊りというと、エイサーという、アップテンポの賑やかな踊りをイメージする方が多いと思いますが、琉球舞踊はゆったりと上品な動きで、「基本は歩み」と言われているほど、歩くことがとても重要な動きになる踊りだそう。沖縄を思わせる色鮮やかな衣装に、ハイビスカスをイメージしたような笠。ひと目見ただけで「琉球」「沖縄」という言葉が浮かんできます。
琉球舞踊はもともとは首里城の中で踊られていた宮廷舞踊で、「踊り奉行」という琉球舞踊を舞う専門の役職の方々がいました。その後、廃藩置県で沖縄県になった際、踊り奉行は首里城を出てバラバラに。踊る場所がなく、民間人に教え伝えていくようになり、徐々に日本舞踊のように流派ができたそう。
赤嶺姉妹が属しているのは「八曄(はちよう)流餘音(よね)の会」。家元の前田千加子師は「いろんな先生の踊りを後世に残したい」と、流派の垣根を超えて7人の先生に師事。自ら流派を立ち上げる際、「7人の先生に教わった古くからの踊りの型を崩すことなくそのまま伝えたい」という思いと、「8人目の先生は厳しい目で観てくださるお客様です」という意味を込めて「八曄流」と名付けました。
赤嶺姉妹は沖縄県那覇市出身。それぞれ6歳で琉球舞踊の道へ。その後、メキメキと才能を現して技術を高く評価されるようになり、首里城公演や国立劇場おきなわの公演など、数々の舞台に立ってきたおふたり。教師になるための登竜門である沖縄タイムスのコンクールでは何度も入賞し、奈津子さんは2014年に、真希さんは2017年に、めでたく教師免許を拝受しました。
上京したきっかけは大学進学。2016年から東京でお弟子さんを持つことになり、五反田でお稽古をスタートしましたが新型コロナの影響で、借りていたお稽古場が使えなくなるなどのピンチに直面!なんとかお稽古ができる場所を…と探していたところ、縁あってここ田町で2020年10月より再出発となりました。建物の地下にある教室は鏡張りで広々とした空間です。
舞踊家としての活動は東京を中心に、故郷の沖縄や、2018年はカナダで初の海外公演も!港区伝統文化交流館や、東京タワーでの沖縄イベントにも出演経験があるそうで、読者のみなさんの中には、姉妹のステキな舞をご覧になったことがある方もいるかもしれませんね。そのほか、最近は沖縄への修学旅行の事前学習ということで学校からの依頼も多いそうです。
稽古は1回1時間のグループレッスン。生徒さんの年齢層は5歳〜70代までと幅広く、東京郊外や都外からはるばる通っている方も。「沖縄が好き」「自分のルーツが沖縄」「伝統芸能が好き」「実際にイベントや公演等で琉球舞踊を見て習いたい!と思った」など、きっかけは様々。中には「まだ一度も沖縄に行ったことがない」という方や、毎夏沖縄で行われるコンクールに出場することを目標に頑張る生徒さんもいるそうです。
ちなみにレッスンを受けるために高価な衣装や道具は不要。簡単に着られる稽古着(お手頃価格)を購入すればOKで、あとは、帯・金銀扇子2本・四ツ竹(竹を赤と黒に塗った小道具)をそろえるだけ。発表会など舞台での衣装もレンタルしてくださいます。
「本場の伝統芸能を守る」という思いの詰まった赤嶺姉妹の琉球舞踊教室。無料の体験もありますので、「琉球舞踊に興味がある」「田町でリアルな琉球に触れてみたい」という方は、まずは気軽に体験してみてはいかがでしょうか。
赤嶺姉妹 琉球舞踊教室
住所:港区芝5-12-15-B1
TEL:03-6206-8433
Web:https://www.akaminesisters.com/
現在のお稽古枠は、月・木・金曜日15時と19時、土曜日14時。月4回で月謝10,000円+税。(別途入会金10,000円+税)