ある土曜日の朝、
寝ぼけながら田町界隈のSNSをチェックしていたところ、
↓こんな投稿を見つけました。
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え!?
“参鶏湯(サムゲタン)の美味しいお店”として知られる鳥一代さんが「ツイスピー」なるスイーツを開発したとのこと。
こりゃ田町のとくダネ!だぁ〜ということで、早速お店に伺いました。
↓その時の様子はこちら
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このツイスピーなるスイーツ。お米が練り込んであるそうで、カリもち?サクもち?の独特な食感。甘すぎずやさしい味で、安心して子どもたちに食べさせられそう、と思いました。現在は土曜日のランチタイム(11時〜)限定で販売中。
ちなみに、編集長がツイスピーを購入する初の客だったそうで、写真を撮るときは店長もちょっと興奮気味 笑
なぜ、鳥一代さんがスイーツ?
なぜ、このタイミングで?
ほかの系列店でも買える?
色々と気になったので、後日あらためて取材に伺うことに。。。
鳥一代 慶應店の店長、嶋田さんにお話を伺いました
田町新聞
「早速ですが、ツイスピーを開発したキッカケは?」
嶋田さん
「実はツイスピーの前に食べられるマスクを作ったことがあって」
田町新聞
「食べられるマスク??」
嶋田さん
「一時期マスクがすごい嫌になったんですよ。コロナでマスクは本当に大切だし、すごい感謝しているんですけど、厨房で暑苦しいし、味見するのにイチイチ外さないといけないし」
田町新聞
「あ〜たしかに、お仕事柄とくに大変そうですね・・・」
味見をする際など、マスクを付け外しするのは面倒そう
嶋田さん
「それで、もうマスク食ってやろうかなって思って」
田町新聞
「はい!?・・・汗」
嶋田さん
「さすがに本物を食べることはできないんで、ご飯とホットケーキミックスと牛乳と塩で作ってみたんですよ」
田町新聞
「えっ、ちょっとまだ思考回路が追いつけてないんですけど・・・」
嶋田さん
「食べられるマスクとして、お客さんに配ったら僕自身もマスクが嫌いなんて思わなくなるかと思って」
こちらがその時にお客さんに配ったというマスク
田町新聞
「いや、ダジャレまで付けてるし・・・」
嶋田さん
「楽しんでくれればと思って、来てくれたお客さんや店頭に立ち寄ってくれた方に無料で100枚配ったんです」
田町新聞
「そんなに作ったんですか!(コロナでお店も大変だったはずなのに・・・)」
嶋田さん
「その後、仕込みをしてたときに小腹が空いちゃって。なんかあるかなと思ったらマスクのタネが残っていたんですね。で、焼くのも時間かかるから揚げちゃえ!って」
田町新聞
「ま、まさか・・・」
嶋田さん
「そうなんですよ。揚げてみたらぷくーって膨らんで。砂糖付けて食べたらすごい美味しかった。それから形とか、食感も楽しめるようにとか、試行錯誤して」
こちらのフライヤーで試しにさっと揚げてみたそう
田町新聞
「食べれマスクがツイスピーにつながるとは・・・。もともとこういうスイーツをお店で売ってみたいという考えがあったんですか?」
嶋田さん
「田町、とくにお店のそばには大学も高校もあって若者がたくさんいるんだから、もっと原宿とか渋谷みたいにぶらり歩いていて楽しめる街にしたいんですよ!!」
田町新聞
「は、原宿?、し、渋谷?」
ともすると大人は恥ずかしいと思って言えないようなことも真っ直ぐな目で力強く言えちゃう嶋田さん。か、かっこいい(かも)・・・
嶋田さん
「並びにタピオカ屋の“月華茶(Luna cha)”さんがあるんですけど、僕はそこのタピオカがすごい美味しいって思っていて。それで、このツイスピーとタピオカを持って若者が歩いている姿をこの街でみたい!って店長に直談判に行ったんですよ」
田町新聞
「行動力がすごいですね」
嶋田さん
「そしたら、面白そうですね!って言ってくれて。うちのツイスピーを買ったお客さんはタピオカを100円引きで提供してくれることになりました。ちなみにタピオカを買ったお客さんにはうちのツイスピーを50円引きで提供しています」
月華茶(Luna cha)さんのほうがむしろ割引いてくれてるじゃん!って若干気になりましたが、それは単価とか色々事情がありますもんね・・・
田町新聞
「いいですね〜。田町のお店同士が協力するって。そういえば、鳥一代さんといえば、田町にも何店舗かあると思うのですがほかの店舗でもこのツイスピーは買えるんですか」
鳥一代さんは芝浦が本店で、田町周辺に4店舗、新橋、恵比寿にも店舗があります。今回紹介する慶応店は今年の9月で4周年という比較的新しいお店
嶋田さん
「いえ、食べれマスクもそうですけど、僕が勝手に始めたことなんで」
田町新聞
「え!なんか偉い人に怒られたりしないんですか?大丈夫?」
嶋田さん
「あ、もちろん社長にはちゃんと報告していますよ 笑。うちの社長、懐が深いというか、どんどんやれ!って言ってくれて」
田町新聞
「なんかいい関係ですね」
嶋田さん
「そうですね。僕は10年くらいほかの会社で飲食業を経験して、違う世界もみたいと思って、転職してきたんですが、いまの社長に惚れ込んだみたいなところはありますね。アットホームで社員の家族を大切にする、社員が言いたいことを言える」
田町新聞
「(自分は部下になにか言うのも緊張しちゃうぐらいなのに)おのれの小ささに恥ずかしくなります・・・」
嶋田さん
「ほかにも、コロナの自粛期間中は親御さんが家で料理を作るのが大変だと聞いて、店頭で惣菜を売っていました」
田町新聞
「アグレッシブだなぁ。そういえば、鳥一代さんって“参鶏湯(サムゲタン)の美味しいお店”ってキャッチコピーが付いていますが、オープン当初から参鶏湯が売りのお店だったんですか」
嶋田さん
「いえ、本店がオープンした当初1、2年は付いていなくて、鳥料理のお店として焼き鳥とか鳥刺しとかをメインにやっていたようです。で、仕入先さんが田町界隈だけ、ひな鶏丸鶏を卸すっていう話が出てじゃあ扱ってみよう!って」
田町新聞
「そこから参鶏湯を?」
嶋田さん
「そうなんですよ。ひな鶏丸鶏を使う料理としてオリジナルで開発しました。本場韓国の参鶏湯はたいてい生の丸鶏から煮込んでそのスープごと提供しているんですが、うちはスープを別に作っていて。あと、煮込んだ丸鶏はいったん鍋から取り出して、水分を絞って一日寝かしているんです」
煮込んだひな鶏丸鶏は、このように丸一日冷蔵庫に入れて寝かします
田町新聞
「結構手間がかかっているんですね」
嶋田さん
「もともと社長が和食出身の人間ということもあり、細かいところから丁寧にやっていこうという方針で。お腹の中にもち米やナツメ、高麗人参、にんにくなどを詰めていますが、薬膳臭くなく、鶏肉の臭みもなく、お子さんでも食べられると評判です」
鳥一代の看板商品、参鶏湯(赤・白)。丸ごと一羽(3〜4名)が3,000円、ハーフ(1~2名)が2,000円
田町新聞
「確かに。自分も何度かお店でいただいていますが、ホント美味しいですよね〜。体にやさしい味というか、食べたら元気が出る感じもするし」
嶋田さん
「ありがとうございます!実は開発秘話みたいなのもあって・・・もともとは3時間くらいしか煮込んでいなかったのを、偶然スタッフが火を消し忘れて10時間煮込んじゃって。それをまかないで食べたらすごいうまいじゃないか!ってなって」
田町新聞
「なんと!それでこんなお肉がホロホロなんですね。そういえば、参鶏湯には“白”と“赤”がありますが・・・」
嶋田さん
「白は通常のパイタンスープ。赤はそれに自家製の辛味噌と豆板醤、バターを加えてチゲ風にしています」
田町新聞
「あ〜それも美味しそう!」
嶋田さん
「実はテーブルにある自家製の調味料でも辛味を加えられるので、はじめてのお客さんにはまず白をオススメしています。まったく同じではないのですが、味変して赤に近い感じで楽しむこともできるので」
田町新聞
「それはいいことを聞いた。今度試してみよ」
ちなみに店内は
カウンター席があり、一人でも来客しやすいほか
奥にはテーブル席と
個室も1つあります
田町新聞
「そう言えばずっと気になっていたんですが、鳥一代さんって韓国料理屋ではないんですよね?」
嶋田さん
「そうですね、大きなくくりで言うと居酒屋ですかね。参鶏湯を売りにした居酒屋。ただ、参鶏湯以外にもヤンニョンチキンとかタッカンマリなどもあるので、韓国料理が食べたいというお客さんにも楽しんでいただけるかと」
田町新聞
「えっ!そうだったの!」
嶋田さん
「はい、ちなみにタッカンマリはジャガイモやトッポギ、長ネギなどが入ったシンプルな味わいの鍋で個人的にも超オススメです」
田町新聞
「た、食べたい・・・。そういえば、インスタにホワイトボードの写真をアップされていますよね」
嶋田さんが毎日インスタにアップしているホワイトボード。普段は店頭に置いてあるので、一度は見たことがあるという人も多いのでは?
嶋田さん
「あ、あれも、流行る流行らない関係なく、まずはやってみようと思って。実は社長が本店でやっているのをパクったんですけど」
田町新聞
「そうなんですね 笑 社長になんか言われませんでした?」
嶋田さん
「やるからには毎日ちゃんとやれよ!って 笑。きょうはどんな日か、過去の出来事とか、有名人の誕生日とかホワイトボードに書いて店頭に飾っているんですけど。お客さんとのコミュニケーションのきっかけになっています」
田町新聞
「毎日続けるのは大変そうだけど。たしかに、こういうものがあるとお客としても店員さんにちょっと話しかけやすくなるかも」
嶋田さん
「お客さん同士で会話が途切れたときとか、次来店してもらうキッカケにもなるかなって思っていて。入口のそばには鳥の漢字もたくさん貼ってあるんですよ」
田町新聞
「うわ、ホントだ。食べれマスクにしろホワイトボードにしろ、どんだけお客さんを楽しませる気なんすか」
鳥の名前がズラリ。ちなみに回答はトイレの壁に貼ってあるので、ぜひ実際にお店で確認してみて!
嶋田さん
「お店に来て味が美味しいのは当たり前。雰囲気、店員さんの接客、何気なく目に入ったものが記憶に残ったりするじゃないですか。すごいかっこよく言っちゃうとエンターテイナーというか、どれだけお客さんを満足させられるか、記憶に残るかだと思っているんで」
田町新聞
「店長がすごいイケメンに見えてきました・・・」
嶋田さん
「そもそも僕、お客さんとおしゃべりするのがすごい好きで。昔から口が達者でほとんど緊張したことがないんですよ。結婚の挨拶で妻の実家に行ったときぐらいかな?」
田町新聞
「う、羨ましすぎる・・・こっちは編集長だっていうのに毎回ガチガチに緊張しているんですけど)」
ということで、緊張しいの編集長もあったかく迎えてくれる店長がさんが待っている鳥一代 慶応店さん。土曜日のお昼はツイスピー、それ以外はまず参鶏湯を食べにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。味が美味しいのはもちろん、明るく楽しい気分になること間違いなしですよ〜
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鳥一代 慶應店
〒108-0073
東京都港区三田3-1-19 柳下ビル 1F
TEL:03-5439-6242
営業時間:11:30~14:00、17:30~23:00(LO 22:30)
※土曜日は17:00~22:00(LO 21:30)
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