みなさんこんにちは!久しぶりの編集長です。
まずはご連絡から。先日、田町新聞のイベントを開催するぜ!と意気込んでいたわけですが、昨今の状況を鑑み、延期とさせていただきました。
初のイベントがいきなり延期って泣ける・・・
いや、泣いたっていい。涙は心のデトックスだ。スッキリしたら次へ進めばいい。
時を戻そう。
芝4丁目にちょっと珍しいスタイルのカフェがオープン
つい先日、芝4丁目に新しいカフェがオープンしていたのご存知でしたか?しかも、第一京浜沿いで、ちょっと変わったスタイルのお店だという情報が。どんなお店なんでしょうね。早速取材に伺ってきました。
聞いた住所はこのあたり。お店があまりないので、目立ちそうなものですが・・・
あ、看板がありました。
え、でもお店はどこ?
とちょっと進んで左を見ると・・・
おおお、奥まったところにかわいらしいお店がありました。これはちょっと気づきにくいかも 笑
早速中に入ってみると・・・
手前にカフェのカウンターがあって・・・
奥にはお花がズラリ!!
そう、こちら花屋さんを併設したカフェなんです!
もちろん、カフェ利用だけでも花屋さんの利用だけでもOK。さらに、季節の花を愛でながらコーヒで一服、花のアレンジメントをお願いしている間にコーヒーで一服、なんてことが楽しめちゃうわけ。
おいおいどうしちゃったんだ田町!!ってぐらい見た目だけじゃなく、コンセプトまでおしゃれなお店なんです。
その名も「Utsuwa Coffee & Wine」さん。今回こちらを運営している大器株式会社のみなさんにお話を伺いました。
新しくオープンしたカフェはどんなお店?
常務取締役の島田さん
田町新聞
「早速ですが、Utsuwa Coffeeの名前の由来は?ぱっと見、器(うつわ)というより花が目立つような・・・」
島田さん
「器という単語には食器という意味だけでなく、道具としての器も含まれていて。普段の生活に少しだけ新たな彩りを添えたい。そのための場所であり、道具として使ってもらいたいという意味で“Utsuwa”と名付けています」
田町新聞
「なるほど、そうだったんですね。会社名にも“器”が入っているしちょうどいいですね」
島田さん
「ありがとうございます 笑
田町はここ数年、オフィスワーカーだけでなく住民も増えていますよね。でも、ゆったりと寛げるカフェや暮らしに彩りを添えるような花屋さんが、この芝4丁目エリアにはほとんどなかったので」
田町新聞
「確かに。この場所にカフェ&花屋さんができて助かるわ〜、って人多そう」
ちなみに芝2丁目に本社を構える大器株式会社さん。ルーツは江戸時代の油問屋さんで、250年以上にわたってエネルギー事業に携わっているという老舗企業だとか!
田町新聞は6年目・・・
安定感半端ない・・・
田町新聞
「それにしても、なぜカフェを?」
島田さん
「数年前からボルダリング施設の運営事業をはじめているのですが、立地に合わせてカフェやヨガなどの業態を組み合わせていきたいと考えています。そうすることで“お子さんがボルダリングをしている間にママやパパはカフェでのんびり”など、色々な使い方が生まれ、施設全体の売上向上につながればと」
いきなりぶっちゃけてくれた・・・
田町新聞
「ボルダリング施設の運営って、これまたガソリンスタンドの運営受託とだいぶ違う感じがしますが」
島田さん
「うちの会社は根っからの商人気質でして。おかげさまでガソリンスタンドの運営受託では、長年業界1位となっています。他の事業をはじめる際も、正面から大手と勝負しても勝てっこないので。ナンバーワンを狙えるニッチな業界で戦っていこうと」
ボルダリング施設「ディーボルダリング」は八王子、綱島、釧路などに4店舗を展開中。
田町新聞
「ということは、ボルダリング施設の運営も会社に好きな人がいて・・・とかではなく?」
島田さん
「はい、まったく 笑
今では日本で数十人しか持っていないクライミング資格を持った方や大手有名店で店長経験のある方、全国大会優勝経験のある方など、知識も経験も豊富なスタッフがたくさん集まっていますが、当初は社内に経験者はいませんでした」
こ、これが江戸時代から続く商人のDNAかっ・・・!
島田さん
「ついでにお伝えしておくと、実は私、コーヒー飲めないんですよ」
田町新聞
「えええ!!」
こんなおしゃれカフェオープンしておいて何言ってるの。
島田さん
「あ、いやいや、そこはご安心ください。もちろんカフェにもプロフェッショナルに入ってもらっているので」
あーびっくりした。
なんでも数百人のなかから選ばれた経験豊富で熱い想いがあるメンバーたちが、一年ほどかけて一からお店を作っていったそう。
田町新聞
「ところで、こちらのカフェ、花屋さんを併設しているのが大きな特徴だと思うのですが、それはなぜ?」
花屋さんのコーナーには、旬のお花がズラリ
島田さん
「もともと、私の亡き父である会長がエネルギー業界など大手の取引先が多く、胡蝶蘭の需要があったことから産直で販売をしていたんです。それでインターネット通販にもトライしようとしたんですが、胡蝶蘭はすでに色々なところがやっていて。薔薇ならいけるんじゃないかとチャレンジしました」
ガソリンスタンドの運営受託をしているというのに、油じゃなくて花を売っ・・・たっていい!どっちも生活に潤いをあたえてくれるはずだ。
田町新聞
「なぜ薔薇なんですか?」
島田さん
「胡蝶蘭は鉢物なのでやりやすいんですが、薔薇は手間がかかるのでどこもやっていなかったんですよ」
田町新聞
「なるほど、またニッチな市場を狙っていったわけですね」
島田さん
「はい、全国の農家さんをまわって、ようやく愛知に協力していただける農家さんを見つけて。その農家さんの横に出荷スペースを作らせてもらって、そこでうちのスタッフがアレンジメントや出荷作業をする体制をつくりました。」
田町新聞
「すごい。新しいビジネスモデルをつくっちゃったわけですね。ちなみに島田さんはもともとこの会社で働いていたんですか?」
島田さん
「いえ、私は大学卒業後、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社でTSUTAYAの開発営業をしていたんですよ。家業を継ぐとは思っていなかったんですが、先代である父が急に亡くなって手伝うことになりました」
田町新聞
「そうだったんですね。でも前のお仕事での経験も存分に生かされている感じですね」
物腰の柔らかい雰囲気から繰り出す軽妙なトーク。気づくと島田さんの話にみんなが聞き入っている。
江戸時代から続く商人のDNA、恐るべし・・・!
島田さん
「あまりにも経営者とか事業責任者の思いが強いとほぼその人の意見に固まってしまいますよね。僕たちはビジネスと割り切ってやっているので、現場の意見を尊重しようと。ボルダリングのときもそうですが、このお店もコンセプトや内装はスタッフの意見を取り入れてつくっていきました」
田町新聞
「島田さんコーヒー飲めませんもんね・・・」
島田さん
「カフェはオフィス街がいいと思って新宿とかいろんな物件を見に行きました。花も通販だけでなく実店舗を運営したほうがいいと思っていて、カフェとは別に港区で探していたんです。それが、たまたまこの物件が空いて。オフィス街だし、港区だし、本社と近いし、大田花市場も近いし、カフェと花屋を合体させればちょうどいいじゃないかって」
田町新聞
「本社と近いのもたまたまだったとは・・・いやぁ、田町新聞的にはこの場所にオープンしてもらって本当にホント良かった」
ちなみにこちらのかわいい建物。実は店舗の上は大家さんのご自宅。よく塗装の許可おりましたよね・・・。でも今では大家さんもお気に入りのようで、お友達とコーヒーを飲みに訪れるそう。こんなにステキなお店が家の下にあるって、自慢できるよな〜。
さて、ここからはカフェと花屋、それぞれのご担当者にお話を伺います。
カフェのメニューや味の特徴について
グーグル出身者が自由が丘に開いたカフェ「ALPHA BETA COFFEE CLUB」などでバリスタの経験を持つ、Utsuwa Coffee & Wineストアマネージャーの小林さん。
田町新聞
「コーヒーはどんな提供スタイルですか?」
小林さん
「エスプレッソマシンで抽出するタイプとハンドドリップで抽出するタイプのほか、朝時間がない方などに向けてポットで出せるダッチブリューも扱っています」
ハンドドリップでコーヒーを入れている様子。なんだかゆったりした時間が流れていいですね〜
田町新聞
「それぞれ使っている豆は違うんですか?」
小林さん
「はい、豆にもこだわっていて、エスプレッソの豆は用賀に本店を構えるスペシャルティコーヒー専門のWOODBERRY COFFEE ROASTERSさんでオリジナルのブレンドを作っていただきました」
小林さんにエスプレッソ豆で入れていただいたキャラメルラテ。ラテアートもステキです。
小林さん
「ハンドドリップはNYタイムズ紙で“飛行機に乘ってまで試しに行く価値あり”と称されたノルウェーのFUGLEN COFFEE ROASTERSさんの豆を2種類使っています」
NYタイムズ紙、さすがに言いすぎ・・・たっていい!その味が田町で楽しめるんだから、僕たちは幸せだ。
浅煎りが特徴のFUGLEN COFFEE ROASTERSさんのコーヒー豆。最近はパッケージに入ったロゴマークの赤い鳥で気づくお客さんも多いそう
そのほかにも小林さんが各地を回って厳選したという武蔵小山にあるnemoベーカリーさんのパンを使ったドッグ、サンドイッチなどのフードや・・・
某有名店のパティシエと開発したというパウンドケーキ、おからクッキーなどのスイーツも用意。
「オフィス街ということもあり、できるだけおいしくて身体にやさしい素材を使ったものをご用意しています」とふんわりした柔らかい雰囲気で語る小林さん。
癒やされたい田町中のビジネスマンが殺到するのでは・・・と勝手に心配してしまいます。
店舗入口そばのカウンターなどは電源も使えるので、ちょっとした作業もOK。もちろん店内はWi-Fiも完備しています。
続いては、フラワー&ワイン担当の佐藤さんにお話を伺います。ちなみにワインは春からの提供を予定していて、夜に店内でいただけるほか、購入もできようになるそう。ワインと花の組み合わせってなんかグッと大人な感じ・・・
花屋の商品や提供方法の特徴について
なんとこちらの佐藤さん、以前に花屋とワインショップが一緒になったお店で働いていた経験があり、ワインエキスパートの資格も持っているそう。そんなぴったりな人材、見つかります!?
田町新聞
「早速ですが、花屋の特徴を教えてください!」
佐藤さん
「ビジネスだとアレンジメントでというお客様も多いんですが、その理由が送る相手が花瓶を持っているかわからないってことなんですよね。でも土台のかごとかラッピングに高いお金がかかっていたらもったいないじゃないですか」
田町新聞
「確かに。肝心の花にお金をかけられていないってことですもんね」
佐藤さん
「そうなんです!なので、うちでは最初からこのシンプルな花瓶に入れるようにしていて、これならそのまま飾れます」
ちょっとこの写真ではわかりにくいかもしれませんが、シンプルなガラス製のデキャンタに入った状態でラッピングしてくれます。3,000円でボリュームも十分。
田町新聞
「おぉ〜これはいい!ていうかむしろデキャンタを花瓶にするっておしゃれ。これからワインの販売もスタートするし、ピッタリですね」
佐藤さん
「ありがとうございます!お花はもちろんその日にあるものから選んでいただくこともできますし、月・水・金に入荷するので事前にお電話などでリクエストしていただくこともできます」
店舗奥にはアレンジメントなど作業するスペースもしっかり完備。
佐藤さん
「あと花屋だとちょっと男性が入りにくいイメージがあるかもしれないので、お店の外装のほか、スタッフのエプロンやラッピングなどに青を取り入れるなど、細かい工夫をしています」
なるほどぉ。さりげないけど、結構大事な気がします。
600円(税別)のカップフラワーは、コーヒーとセットで購入すると100円引き。しかも、こんなステキなパッケージでテイクアウトできます。これを持って街を歩いているだけで絵になるな〜。
生花のほか、ドライフラワーも。ちょっとしたギフトにいいですね。
たまたまお店の前を通った男性がコーヒーを飲みに入り、奥さんに花を買って帰る。その翌週、夫婦そろって散歩がてらコーヒーを飲みに訪れる。すでにこんなステキなシーンがこの田町で生まれているようです。
パリのおしゃれシネマかよ!(たしかにタワーも水辺もあるけど・・・)
さらに!面白いのがカフェも花屋もサブスク(サブスクリプションサービス)を予定しているところ。カフェは4980円/月でクイックコーヒーを1日2杯まで。花屋は1980円/月で1日一輪、3種類の中から選んで花を持ち帰れるようにするそう。また、ワークショップなどイベントの開催も検討しているとか。
ということで、色んな意味で新しい「Utsuwa Coffee & Wine」さん。ワインの取扱開始など、これからの展開も目が離せません。かくれ家的なお店なのでぜひ探してみて!
―――――――
Utsuwa Coffee & Wine
Utsuwa Flower
東京都港区芝4-4-3
営業時間:7:30~19:00(平日)、10:00~19:00(土曜)
定休日:日曜・祝日
https://www.utsuwacoffee.jp/
―――――――