みんなで灯す、運河のあかり――「みなとの運河マルシェ」誕生へ

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勉強会から生まれた、地域発のマルシェ

「港区のシンボルでもある田町の運河を、もっと素敵にできないか」
そんな住民の声から動き出したのが「みなとの運河マルシェ」。実行委員長は田町在住で「とうきょうグルメマーケット」を仕掛けてきた田丸さくらさんです。

会場は芝浦西運河沿緑地。夜には提灯のあかりが並び、暗く静かだった運河が人でにぎわう景色に変わります。

きっかけをつくったのはお隣、お台場在住の斎藤正信さん。水辺を盛り上げる活動をライフワークとし、2024年6月から「東京みなとの運河水辺を考える会」という勉強会を続けてきました。住民や専門家とのディスカッションを積み重ねる中で、「まずはマルシェから」というファーストステップが今回の形につながりました。

「やっとここまで来ました」と笑顔を見せる田丸さん。実はこれまで運河沿いの場所を使う事例が少なく、実現は難しかったのだそう。今回、港区が芝浦西運河沿緑地の利用を認めてくれたことで、ようやく開催へとこぎつけました。

第1回は10月24日(金)・25日(土)、第2回は11月21日(金)・22日(土)に開催。初回は5店舗、2回目は10店舗ほどを予定しています。現在クラウドファンディングも進行中で、提灯に協賛名を入れるプランなどが用意されています。興味のある方はぜひクラファンページもチェックしてみてくださいね。

運河を舞台にひろがる交流

出店は雑貨や加工品などの物販が中心。金曜の夜に開催することで、仕事帰りに立ち寄れる工夫もされています。食品については、保健所のルール上その場での調理はできませんが、水辺のプラスチック問題なども考えてガラス瓶の飲料や水辺に関連するお菓子などを販売する予定。

会場には、集まった人がくつろげるささやかなコミュニティコーナーも登場。買ったものを楽しんだり、出店者や来場者同士で語り合ったりできるリラックス空間です。水辺の景色と合わせて、開放的な時間を過ごせそうです。

さらに初回の10月開催では、子どもたちが遊べる仕掛けや、ハロウィンにちなんだ演出も計画中。「都心は住んでいても横のつながりができにくい。だからこそ交流の場になったらいいなと思っています」(田丸さん)。

夜のマルシェのイメージ(写真は隅田川マルシェの様子)

田丸さんが思い描くのは、水辺の夜景と人のにぎわいが重なる光景。「夜に灯りがともって、人が集う風景ってすごく素敵じゃないですか。田町にもそんな景色をつくりたいんです」と語ります。

来年以降は隔月ペースでの開催を目指し、「ゆくゆくは100店舗規模まで広げたい!」と夢はふくらみます。「近隣の方で出店してみたい、スタッフの仲間として運営のお手伝いをしたい方も募集(→メールで問い合わせ)しています」。

いつもは暗く人通りが少ない運河にあかりが灯り、住民同士が語り合う。
そんな風景が芝浦に現れる日が、もうすぐ現実になりそうです。

第一回・第二回みなとの運河マルシェ

開催日時:第一回 2025年10月24日(金)15:00~20:00、25日(土)10:00~15:00
第二回 2025年11月21日(金)15:00~20:00、22日(土)10:00~15:00

開催場所:東京港区 芝浦西運河沿緑地(〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目18付近)

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