日本舞踊って難しくない!?芝浦の教室が伝えているのは“丁寧に生きる”こと

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先日、駅前のTSUTAYAさんでこんなポスターを見かけました。

子ども向けの日本舞踊(にほんぶよう)体験(こちらのイベントはすでに終了しています)

TSUTAYAの中岡さんに伺ったところなんでも芝浦に教室があって、この3月に大学を卒業したばかりの女性が日本舞踊の魅力を広めるため精力的に活動されているとのこと。

で、ふと思ったんですけど、

自分、日本舞踊のことを何にも知らない・・・

“日本”と言う名が付くのに外国の方に聞かれても何にも答えられない・・・
これは直接お話を聞いてみたい!ということで、教室に伺ってきました。

こちらが芝浦で日本舞踊教室「子供舞踊塾」を開いている有馬和歌子さん。そのほかにも出張型のワークショップを開いたり、伝統芸能に関連したイベントへの出演、プロデュース事業などを行なったりしています。ちなみに生まれも育ちも芝浦だそう

事前に少し調べたところ、日本舞踊は歌舞伎の技法を基本とした舞いと踊りで、男性だけの歌舞伎から派生し、女性による舞踊が加わっているのが大きな特色とのこと。(参照:日本舞踊とは何か 日本舞踊協会

田町新聞
「いきなり失礼な質問でごめんなさい!そもそも日本舞踊を見たことがなくて・・・いや、日本舞踊と発することさえこれまでなくて・・・その魅力を教えていただいてもいいですか?」

有馬さん
「いえいえ。そうですよね 笑
では、まずこの映像を見ていただくとわかりやすいかもしれません」

といって見せてもらった映像がこちら

おぉ!これ有馬さんですかっ!かっこいい!迫力がスゴイ。そして優雅ですね。舞台のスケールも想像以上に大きいなぁ。

田町新聞
「例えば歌舞伎だったら歌舞伎座に公演を見に行くとかイメージしやすいのですが、正直、日本舞踊と聞いても楽しみ方がぱっと思いつかなくて・・・」

有馬さん
「日本舞踊には先ほどの動画のように舞踊家の公演を見るという楽しみ方のほか、習い事としての楽しみ方があります。そしておっしゃるとおり、いずれも一般の方に広く知られているとは言えず、どちらも伸びしろありという状況ですね 笑」

ポジティブ!

田町新聞
「でもWebを拝見したら、すでに錚々たる方々と共演したり、大きな舞台に出演されたりしているんですね。すいません、私が知らなかっただけで。こんな近くにスターがという感じです」

有馬さん
「これまでは父のおかげで出られているところが大きくて。やろうと思ってもできない世界にいさせてもらっている。この世界の魅力を今後私がどうやってもっと広められるんだろう、と最近は日々考えています」

なんて謙虚でがんばり屋なの!

田町新聞
「日本舞踊の公演を見に行くなら、やはりなにか前知識が必要ですか?」

有馬さん
「まずは理屈じゃなく楽しむのが一番だと思います。民族音楽ってその土地の人が心地良いと感じるリズムを持っていて、日本舞踊はまさにそれをそのままカタチとして表しているので。そのリズムに身を任せて踊りの迫力や衣装のきらびやかさ、舞台装置を楽しむといった鑑賞が一番いいのかなと」

田町新聞
「え!それでいいの!では日本舞踊を生で見てみたい!と思ったら気軽に見られるものなんですか?」

有馬さん
「はい、国立劇場などで日本舞踊の公演は頻繁に行われています。ただ正直なところ、各流派の成果発表会という立ち位置の公演が多くて。そこも今後の課題でありチャンスでもありますね」

田町新聞
「推しがいるから見に行こう、という風になったら日本舞踊の魅力がさらに広がりそうですね」

有馬さん
「はい、この人の舞台を見に行きたいと言ってもらえるような興行をつくるのが私の夢です。あと日本舞踊家になるならないは関係なく、踊ることの楽しさをもっと知ってもらいたい、プレイヤーを増やしたいという思いがあります」

田町新聞
「そもそも有馬さん自身はなぜ舞踊家の道に?」

有馬さん
「父の背中をずっと見ていて、同じ仕事場、舞台裏に付いていっているうちになんの迷いもなく同じ仕事をしてみたいなと思っていました。幼いころから憧れのようなものがありましたね」

撮影:岡本隆史

有馬さんのお父さんである坂東寛二郎さんは、歌舞伎の八代目 坂東三津五郎さんの内弟子を長年つとめて、日本舞踊家の道へ。教室を開き、40年以上も日本舞踊の普及に努めています。現在は主に有馬和歌子さんがお子さん向け、坂東寛二郎さんが大人向けを担当しているそう

ちなみに坂東流は日本舞踊の流派のひとつで、代々家元が歌舞伎役者を務めているのが特徴です。

田町新聞
「幼いころからお父さんの指導を受けて日本舞踊をやってきて、途中で嫌になったり、ほかのことに興味が出たりとかはありませんでしたか?」

有馬さん
「なかったですね。私、2歳が初舞台だったんですけど、その時の記憶も強烈な体験として残っていて。舞台裏の大人たちの気迫に子どもながらすごく圧倒されて、この世界の醍醐味みたいなものを感じて」

2歳で!しかもそのときの記憶が!私なんか小学生のころの記憶さえおぼろげです

有馬さん
「あと反抗期になりうる時期に舞台のプレッシャーと戦い抜くことに専念してたからかな」

か、かっこいい・・・バイトをいくつも辞めた自分とは比べものに・・・

田町新聞
「有馬さんは今、子供舞踊塾で実際に指導をされていますが、ズバリ習いごととしての日本舞踊の魅力ってなんですか」

芝浦で開催されている子供舞踊塾の様子。かわいい〜〜〜!お子さんたちが甘えてしまうので、基本的に親御さんの見学はなし。1時間お預かりして指導を行います

有馬さん
「例えば楽器とかだと、ある程度できるようになるまで時間がかかる。日本舞踊はたったいま習いはじめた子でもとりあえず踊ることができる。すぐにその世界に没入できるのがいいところだと思います。何歳からでも習うことができます」

田町新聞
「でもお子さんの習いごとって今たくさんあるじゃないですか。その中でなぜみなさん日本舞踊を?」

有馬さん
「うちは紹介でいらっしゃる方が多くて。実際に2〜3年通っているお子さんたちの変化を見て、ほかの親御さんもああいう風に育ってほしいと思われるのかな」

ペコリ。始まりと終わりには丁寧に挨拶

すすす〜。ゆかたを着てすり足で歩いたり

手の向きや角度に気をつけながらポーズをつけたり
たしかにただ踊りを練習するというわけではないんですね。

田町新聞
「ここでの学びがお子さんたちの普段の生活に現れるという感じですか」

有馬さん
「日本舞踊の技術を高めることも大事なんですけど、それをやりながら、人の目を見てきちんとお礼が言えるようになる、姿勢良く立ち振る舞いができるようになる、子どもたち同士思いやりを持って接するようになるといったように、丁寧に生きることをここで共有しているんだと思います」

“丁寧に生きる”

田町新聞
「あ〜染みるなぁ〜。毎日せかせかしながら生きている感じがします。ホント大事ですよね〜。人としての基本というか、たしかにほかの習いごとではなかなか得られないことかも」

レッスンが終わって着替えたら、浴衣も自分たちで片付けます(こちらは別クラスのお子さんたち)

先生に教えてもらいつつ

完成!まだこんな小さいのになんて偉いの!お母さんもうれしそう。おじさん見ているだけで感動しちゃいました

有馬さん
「毎回きちんとゆかたなり着物に着替えて、同じリズムを取って体を動かして、なにか響くところがあるのかもしれないですね」

ということで、芝浦で活動されている有馬和歌子さん。お子さん向けの日本舞踊教室は気軽に体験もできるそうなので、ご興味のある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。なんとなく女の子のイメージが強いかもしれませんが、こちらの子供舞踊塾は約半数が男の子というのも特徴です。

大人向けには坂東寛二郎さんの教室も。本格的に日本舞踊を極めたいという人はもちろん、普段のストレスから開放されて、落ち着いて自分自身と向き合う時間として現代のビジネスパーソンにもオススメだとか。確かに和の習いごと、いいかもですね。田町新聞でもなにか企画しようかしら。

そして田町発の若手アーティストとしても、今後の活躍を応援しています!田町新聞は有馬推しで!田町で日本舞踊のイベントも見てみたいな〜!

有馬和歌子
■ Web:https://wakakoarima.com/
子供舞踊塾
■ 月謝:1万円(月4回/1回60分、少人数制)※月2回コースもあり
■ 問い合わせ先:kanjiro.wakako.202@coda.ocn.ne.jp

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