田町でワインづくり?目黒からやってきた人気店に真相を直撃!

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今年の5月末にオープンし、

“目黒からオシャレなイタリアンが移転してきた!”
“田町でワインをつくるらしい!?”

と地元民をザワザワさせていたお店。

それにしてもワインをつくるって・・・田町には日本酒の醸造所「東京港醸造」があることで有名ですが、

ワインまで田町産!

が本当にできたらうれしいな〜。

場所は慶応仲通り商店街、「炭火焼 湯浅」のさらに奥。「ホルモンまさる」の横にある小道からも行けます。

路地裏で知る人ぞ知るという感じもいいですね。

お話を伺ったのは、オーナーシェフの井上さん。まさにワインの醸造に向けてスタッフの方と準備中でした。

田町新聞
「以前はほかの場所でお店をやられていたようですが・・・」

井上さん
「9年前に目黒でイタリアンレストラン、2年前に不動前でワインショップをオープンして、今度ワイナリーもやりたいねって話になって。だったら全部一緒にしてどこかでできたら、そっちのほうが楽しいかなって」

新たにオープンした田町のお店は


1階
●イタリアン
「Antica Braceria Bell’italia(アンティカブラチェリアベッリターリア)」
●ワイナリー(ワインの醸造所) ←NEW!
「WINEMAN FACTORY(ワインマンファクトリー)」
2階
●ワインショップ(酒屋)
「WINEMAN STORE(ワインマンストア)」


と3つのお店(施設)が一緒になったつくり。

田町新聞
「イタリアンもワインショップも人気店だったようですが、しかもおしゃれな場所にあったのに。なぜ田町に・・・」

井上さん
「正直、最初は目黒でやりたかったんですが、結構長い間探していても条件に合う物件が見つからなくて。エリアを広げて、緊急事態宣言の影響もあったりしてタイミングよくここに決まった感じです」

田町民としてはラッキーです。

1階のイタリアンはすべてカウンター席。オープンキッチンで気兼ねなく料理を楽しめます。

田町新聞
「そもそもイタリアンをはじめたきっかけは?」

井上さん
「若い頃アルバイトを探していたら“カリフォルニア料理新規オープン”というのを見つけて。当時、なぜか手づかみで食べる料理をやりたくて、これだ!と思って応募したんですけど、入ってみたら元有名イタリアンのコックさんたちがやっているお店で。中身はほとんどイタリアンだったんですよ」

イタリアンとの偶然の出会い 笑

田町新聞
「じゃあそこではじめてイタリアンに触れたということ・・・」

井上さん
「ですね。その後、別のイタリアンを経験して、先輩の紹介で北イタリアのフリウリ ヴェネツィア ジューリア州にある一つ星のレストランに行って」

田町新聞
「なんと、本場イタリアでも経験されているんですね。しかも星付き!」

井上さん

わりといきあたりばったりで。

本当は1年で帰るつもりだったんですけど。結局2年いましたね」

田町新聞
「いや、でも言葉とか、大変じゃなかったですか?」

井上さん
「機材とか食材とかは普段から使っていたんで仕事はそんなに困らなかったんですが、やっぱり日常生活がしんどくて。トイレも探せない、バスにも乗れない。指差し会話帳みたいなのを買っていったんですど、まずそこから探せないんですよね。量が多すぎて。

生まれてはじめて死ぬ気で勉強しました 笑

田町新聞
「か、かっこいい!!・・・で、日本に戻って自分のお店を?」

井上さん
「イタリアから帰ってきて品川のレストランで働いていて、ひと通り経験はできたしそろそろ自分でお店をやりたいと思っていたら。父親が亡くなった時に遺していたお金あるから、って母親から聞かされて。独立を勧めてくれたので一時貸してもらい頭金にして金融公庫で借入できました」

田町新聞
「ちょ、そんなあけっぴろげに・・・汗
とはいえ、自分のお店となると、やはり勇気がいったのでは?」

井上さん

よくわかってなかったですね 笑

当時は若さもあってか自信はありましたが、今思えば勢いではじめた感じはします。今みたいにSNSもないし、最初は集客が大変でしたね」

田町新聞
「でもそれから目黒で人気店になって。スゴイなぁ」

井上さん
「実はいまもほとんどが目黒のときのお客さんで。まだ田町のみなさんにはあまり認知されていないみたいで」

え〜〜!!

(ようやく訪れた田町新聞が言うのもなんですが・・・汗)
田町のみんな!目黒で愛されていたステキなお店が移転してきてるよ〜!まだ来たことがない人は早く来てみて〜!とあらためてお伝えしておきます。

2年前にはじめたというワインショップは2階にオープン。

こちらも不動前で人気だったお店が田町に移転。

冷蔵ケースに冷やしたワインや泡もの(←使い慣れない言葉を知った風に言ってみました)などが入っているほか、

壁一面にズラリ!約150銘柄。500本ほどをストックしています。「実際に自分たちで飲んで美味しかったものしか置いていない」と井上さん。最近はキレがあって軽やかなタイプが多い傾向だそう。

2階は1階よりもさらにカジュアルに、お酒を飲みながらつまめるイメージ。料理は1階のレストランで調理したものが運ばれます。居心地が良くて、早くこういうステキな場所でみんなでワイワイしたい!と思うこと間違いなし。

田町新聞
「ワイナリー(ワインの醸造)をはじめたいと思ったのはなぜですか?」

井上さん
「友人がワイナリーがあるレストランに就職して、それまで自分でつくるって頭になかったんですけど。あ、つくっていいんだって。あとイタリアでワイナリーをやっている友人から、東京で“アーバンワイナリー”はどう?って。確かにビールはたくさんあるけれどワインはあまりないなって。お店のオープンもそうですが、色んな偶然の出会いや出来事が起きて叶ったことですね」

それも井上さんの人柄や行動力があるからだと感じます。

田町新聞
「これまでもワインを自分たちでつくったことはあるんですか?」

井上さん
「最初は山形のイエローマジックワイナリーで、次に練馬の東京ワイナリーでオリジナルのワインをつくらせてもらって。完全に自分たちだけでつくるのは今回が初めてですね

うまくいきゃあいいんですけど。」

豪快なところもいいですね・・・笑

1階のワイナリーには、決して広くないスペースに巨大なタンクや機械がズラリ。ここで年間4800リットルのワインがつくられる予定。

ワインを仕込むタンクは600リットル用と200リットル用の2種類で、このステンレス製の巨大なタンクはスロベニアから輸入したそう。ちなみにワイナリーがガラス張りで外やレストランから見えるのもなんだかワクワクする〜!

瓶を洗浄する機械や

完成したワインを瓶詰めする機械も。

田町新聞
「ワインづくりって、設備を用意するのはもちろんだと思いますが、免許を取るのも大変じゃないんですか?」

井上さん
「集めないといけない書類が多いのと、経験が必要なんですよ。実は山形のワイナリーでつくる前に自分たちでつくろうと思っていたんですけど、経験が必要というのがわかって。まぁ確かにそうだよな、って 笑」

こちらはアルコール度数を測る装置。なんだか実験室みたいでかっこいい。

田町新聞
「田町ではどんなワインをつくる予定ですか?」

井上さん
「山形産のデラウェアをつかったワインを2種類(早熟と完熟)、さらに山形産と青森産のスチューベンをつかったワイン、りんごをつかったワイン4種類をつくる予定です」

田町新聞
「完成はいつごろ?」

井上さん
「いま準備をしていて9月の頭につくりはじめられたとして、10月末くらいにできる見込みです」

田町新聞
「あ、年内に飲めるんですね!もっと時間がかかるものだと思っていました」

井上さん
「僕が言うのもなんですけど、同じ3,000円のワインを比べたとして、海外のワインには優れているのがめちゃくちゃたくさんあるんですね。でもフレッシュで軽さがあるワインだったら、日本産も全然引けを取らないと思っていて」

田町新聞

「なるほど・・・フレッシュなできたてを提供すると」

井上さん
「はい。僕がイタリアにいたから多分そう思えるんですけど、立ち位置として間違えずにやるならそれが一番いいんじゃないかと。だから今回、ビールサーバーも入れたんですけど・・・」

ワイナリーなのにビールサーバー・・・!?

井上さん

「これってワイナリーでしか飲めないんですね。発酵してて膨張するから瓶詰めできない。こういうのを積極的にやろうかなと。」

田町新聞

ここでしか飲めないできたてのフレッシュなワイン!今から楽しみすぎる・・・」

井上さん
「あとワインをつくる過程で絞りカスがたくさん出るんですね。うちの場合はそれをコク出しに使ったり、パンをつくる種にしたり、料理にも使っています」

田町新聞
「あ〜それはいいですね。これからの時代にも合っているというか・・・」

こちらがぶどうを絞る機械。手作業でヘタや柄を外して粒だけにしたら、こちらの機械で上から圧をかけて果汁を取り出します。

井上さん
「ワインをつくるだけで終わらせない。そのあとに何ができるか。サステナブルとかそういうのには役に立ちたいなと思っていて。イタリアで知り合った友人がグレープエールというのをやっていて。ビールにぶどうの絞りカスを漬け込んで香りを漬けるんですが。これにもチャレンジする予定です」

田町新聞
「うわぁ、それも飲んでみたい!」

井上さんのお話を聞いていると、なんだかワクワクするんですよね。友人や仲間を大切にしながら、一緒に楽しんでいる感じも自然に伝わってきて、

田町新聞にはない人望の厚さよ・・・

ということで、順調にいけば10月〜11月には田町産のワインができるはず。引き続き要チェックです!!そして、1階のイタリアン、2階のワインショップは絶賛営業中ですので、まずは気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。田町にこんなステキなお店が!とワクワクしちゃうこと間違いないですよ〜

Antica Braceria Bell’italia、WINEMAN FACTORY、WINEMAN STORE
■ 住所:東京都港区芝5丁目20-22
■ TEL:03-6412-8251(Antica Braceria Bell’italia)、080-7373-4141(WINEMAN STORE)

※新型コロナの影響で営業時間や定休日が記載と異なる場合があります。ご来店の際は事前にご確認ください。

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