すでにご存じの方も多いと思いますが、
「田町といえば、田町ハイレーン!」というほど田町のランドマーク的なボウリング場が、
今年3月29日をもって閉館いたします・・
※編集部注:2015年3月29日に閉館されました。
1972年の創業以来、ボウリング好きな方はもちろん、地元の住民や会社員や学生の方々に親しまれてきた田町ハイレーン。
また、中山律子さんやビッグ・ジュンこと矢島純一さんなど超有名なプロボウラーに愛され、大会やリーグやコンペが開催されたり、テレビ撮影で利用されたり、プライベートでも多くの芸能人が訪れています。
その田町ハイレーンが42年間の歴史に幕を落とします・・・・・
わ~大変だ~~~~~!
あせかきベソかき歩いている場合じゃないっ
ダッシュで取材にロックンロールトゥナイト~~~!
というわけで、取材をお願いしたところ・・
社長と従業員のぶっちゃけトーク(!)に加え、まだマスコミにも見せていない未公開エリアまで公開(!?)とかなり予想外の展開に!!
社長 吉川 方敏(よしかわ まさとし)さん
ボウリング部 川崎 秀二(かわさき しゅうじ)さん
吉川さん
「1972年といえば、ボウリングブーム全盛期でした」
川崎さん
「この土地は母体である株式会社タツノ(タツノ製作所)があった場所で、地域に恩返ししたいという気持ちとハイカラなものということで、株式会社タツノレジャーがボウリング場をオープンしました」
吉川さん
「現在は3階から5階までの68レーンですが、当時は2階から6階までの110レーンあり、最初は『田町ハイレーン110』という名前だったんですよ。」
田町新聞
「えっ、110も!?
それはかなり大規模な方だったんじゃないですか!?」
川崎さん
「いやいや、普通でした(笑)
他に1,100レーンなんてところもありましたし。
道路挟んでふたつの建物にそれぞれ550ずつという(笑)」
田町新聞
「せ、せんひゃく!?桁が違うんですけど・・・」
川崎さん
「当時ボウリング場は全国に3,800か所くらいあって、国会議事堂の隣にもありましたね~。港区は近代ボウリング発祥の地ともいわれていて、他に東京タワー、三田、芝など、あちこちにあったんですよ。」
吉川さん
「デパートとか温泉にもあったし」
田町新聞
「てことは、ショートサイズだったんですか?」
川崎さん
「いや、距離は18mって決まっているから、2レーンだけとかね(笑)
ただ・・」
田町新聞
「・・ん?」
川崎さん
「翌年の1973年6月にオイルショックがありまして・・
石油を使うなってことでボウリング場の経営が難しくなってしまい、急激に減っていって今は全国で850か所になってしまいました」
田町新聞
「ってことは、ブームに乗ったの1年くらい?」
吉川さん
「もうちょっと前にオープンしたらよかったね(苦笑)」
川崎さん
「そんなことがあってうちもレーン数を減らしました。2階は親会社(株式会社タツノ)がオフィスとして利用して、6階はこのレストランと宴会場にしたんです」
田町新聞
「へ~。ここにはボウリングのレーンがあったんですねぇ」
川崎さん
「いや、まだありますよ、この下に」
田町新聞
「え??・・あ、気持ち的にってこと?」
川崎さん
「いやいや、レーンの上に床を乗せたから、この床下にまだレーンがあるの!」
田町新聞
「えーーーっ!!そうなのぉ!?
床一枚隔てているとはいえ、ちょっと不思議な気分・・(笑)」
吉川さん
「あ、中山律子さんもときどきお茶しにきてますよ」
中山律子さんのポスター(おとなりはP★League)
田町新聞
「中山律子さんってあのポスターの美女ですよね!?伝説のプロボウラーですよね!?」
吉川さん
「当時はよく練習に来ていましたが、いまはここで一緒にお茶飲んでることの方が多いですね(笑)
よかったらこちら差し上げます」
なんと中山律子さんのサイン本!「パーフェクトじゃない人生」
田町新聞
「芸能人もたくさん来るんですよね・・具体的にどんな方が?」
川崎さん
「う~ん・・あまりにもたくさんいらっしゃるので・・。
そのせいか、芸能人だから特別対応ってことはないです。芸能人の方も同様で、特別な待遇を求めてこないですし、普通に一般の方と同じレーンで楽しまれてます」
田町ハイレーンでボウリングを楽しむみなさん
田町新聞
「なるほど!もしかして芸能人にとっては普通でいられる貴重な場所なのかも・・
でも見つかったらパニックになったりしないですか?」
川崎さん
「ならないですねぇ・・自然にされているのもありますし、東京の人ってスマートというか芸能人を見つけてもあまり騒がないんですよね」
田町新聞
「大人対応ですねぇ。
こちらはテレビのロケでも多く利用されていますよね。正直ちょっと不思議で・・もっと繁華街にあったり新しいボウリング場の方がロケに都合良さそうですけど・・」
吉川さん
「それには理由が3つあります」
吉川さん
「ひとつは、『テレビ局に近い』!NHK以外はみんなこの周辺なんですよ。
もうひとつは、『3フロアある』!ロケで1フロア借り切っても大丈夫です。
最後のひとつは、『駐車場』!」
屋内や屋外に駐車場があるため、電源車など背の高い車やたくさんのロケバスが来ても対応できるそう。
川崎さん
「さらに・・」
田町新聞
「あれっ3つじゃないの(汗)」
川崎さん
「うちのスタッフがテレビ撮影に慣れているので、今回は何ワット必要とか電源はどことかすぐ対応できます」
田町新聞
「それはテレビ局側も安心ですね」
川崎さん
「さらに、タレントさんの場合控え室が必要になるんですが、うちは個室の宴会場がいくつかあるのでご用意できるんです。
志村けんさんはお気に入りの部屋があって、奥の和室をよく指定されます。こちらは鶴瓶さんもよく使われてます」
松と竹のお部屋を合わせて
中はこんな感じのくつろぎ空間
田町新聞
「へー!?松と竹をつなげたスイートルームですね・・『英語禁止ボウリング』のロケなんかはここでシムケンとつるべ師匠が控えてたのかぁ~」
川崎さん
「さらに・・」
田町新聞
「まだあるの!?」
川崎さん
「タレントさんにとって都合がいいというのもあります。
人気タレントさんの場合は分刻みのスケジュールなので、時間が押しちゃうと1時間100万円単位でかかっちゃうんですよ。
ここは羽田空港や品川駅が近いから次の仕事先に移動しやすいんです」
田町新聞
「川崎さん、めっちゃ詳しいですね・・それだけロケで使われてきたってことですね。
思い出に残るロケとかありました?」
川崎さん
「小麦粉の罰ゲームは大変でした・・」
田町新聞
「どういうこと!?」
川崎さん
「ボウリングのゲームに負けた人が最後に罰ゲームをしたんですが、それが小麦粉に顔をつけるというものだったんですね。
それで小麦粉がそこら中に飛び散りましてレーンにも入り込んじゃったんです。レーンには油が敷いてありますから粉と油で固まってしまって、2~3日営業できませんでした・・」
田町新聞
「うわわわ、それは大変でしたね!弁償してもらいました?」
川崎さん
「はい。まさか小麦粉でそんな事態になるとは思わなかったんだと思います(笑)」
田町新聞
「ていうか、田町新聞もレーンに油が敷いてあるって知りませんでした~」
吉川さん
「ボールの滑りをよくするために油を使っているんです。だからボールが帰ってきたときにタオルで拭くんですよ」
田町新聞
「えっ!そういうことだったの!?自分の手の汗が付いて脂ぎったボールを拭くためかと思ってた!!」
吉川さん
「拭かないでいるとボールがレーンに詰まっちゃったりするので、出来るだけ拭いた方がいいですよ(笑)」
実際に詰まっちゃったボール・・あれ、横に立ってるの社長?
田町新聞
「は~い!
ではそろそろ館内を見て回りたいんですが・・」
川崎さん
「いいですよ!あ、せっかくだから今まで公開してない場所とか案内しましょうよ、社長」
吉川さん
「うん、そうだね。実は社員も行ったことない場所もあるし・・」
田町新聞
「えっ!?」
川崎さん
「あと、レーンの裏側とか見てみます?」
田町新聞
「えっ!?見ます見ます!」
思いがけない急展開に、田町新聞はキラめきマイハートを抑えきれず、結局4時間にも及ぶ取材となることをこのときはまだ知る由もなかった・・
というわけで、田町ハイレーンの表も裏も見せちゃう後編もお見逃しなく!