日本初!焼き立てのハラルなパンが食べられる「ハラル・ベーカリーカフェ・リエゾン」

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※編集部注:こちらのお店は閉店しました

「ハラル」ってなーんだ?

聞いたことあるような無いような・・
田町新聞はそんな感じ。

調べてみると、
「ハラル(ハラール)」とはイスラムの教えで「許されたもの」という意味。

ハラルか、ハラルでないか、には厳しいガイドラインがあって、イスラム教徒(ムスリム)は「ハラルフード」に限り食べるのを許されているそう。

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今年オープンした「ハラル・ベーカリーカフェ・リエゾン」さんは、ハラル認証を受けた日本初のベーカリーカフェ。
こちらではその厳しいガイドラインをクリアしたパンが食べられるという・・。

いったいどんなパンなの!?
ていうかわたしただのジャパニーズピーポーですけど、そもそもお店に入る資格あるの!?
なんてびびりながらも取材にゴー。

ご存知、ジロリアンの聖地「ラーメン二郎 三田本店」さんの向かいに・・

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ハラル・ベーカリーカフェ・リエゾン

あった!

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わー☆
明るくて清潔感あふれるステキ空間。

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株式会社おかやま工房 リエゾンプロジェクト 河上 陽子さん

河上さん
「ハラルはいまだんだんと日本にも浸透しつつあるんですが、こちらでは日本イスラーム文化センターという認証機関に全ての材料を申請して許可が下りたものだけを使用してパンを作っています」

田町新聞
「てことは、ふつうのパンとの違いは材料が許可されたかどうか?」

河上さん
「そうですね。ムスリムの方にとってからだにいいもの、安心して食べられるものがハラルフードなので、添加物などは使ってはいけないんですよ」

田町新聞
「無添加ってことですね!」

河上さん
「あとは、基本的に豚に関しては一切口にしてはダメですので、豚由来のものが入っていないかどうか・・油脂も植物性だったらいいんですけど、動物性だったらもしかしたら豚のエキスが入っているかもしれないとか。道具も例えばハケとかも豚の毛を使っていたらダメとか。すべて口に入っていくものに豚由来のものが関わってはダメなんです」

田町新聞
「豚毛のハケ使っただけでNG!?」

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ダメ、絶対!!

河上さん
「はい。この工房の中で使うものに関してもすべて申請を出して許可を受けた上で使用しています」

田町新聞
「ぎょえーーー・・じゃあいろいろと時間かかりますね~」

河上さん
「ここをオープンしようってなったのが1年位前なんですけど、日本にハラルフードを扱ったパン屋さんがあまりないので、材料とか認証とったりが大変だったんです。まずベースとなる米粉や小麦粉をハラルのものとして使っていいかってところから始まったので、かなり時間はかかりました」

田町新聞
「パンの製法に関しては違いってありますか?」

河上さん
「製法に関しては一般のパン屋さんと同じです。ここではハラルのパンを作っていいという認証を得ています。そのハラル認証店舗で作ったものしかハラルフードと認められないので・・そこに認証の届けがありますよ」

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安心してください、ハラルですよ。

田町新聞
「あれがないと売ってはいけない?」

河上さん
「ムスリムの方には信じてもらえないんです」

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むちゃくちゃ厳しい審査を通過してるけどパッと見はふつうのパン屋さん

河上さん
「基本的にはふつうのパン屋さんと同じなんですけど、うちは焼きたて、揚げたて、作りたてというところにこだわってますので、大型の機械で一気に焼かずに、小型の機械を使用して少しずつ焼きあげるようにしてるんです」

田町新聞
「じゃあ一日に何度も焼いている、と」

なんでそんなめんどくさ・・いや、手をかけるのか、という疑問が浮かびますよね、ふつう。

「ハラル・ベーカリーカフェ・リエゾン」は岡山に本店がある「おかやま工房」さんの直営店。
河上さんはお店の開業支援をする事業部にいるため、現在こちらでお手伝いをしているそう。

田町新聞
「そういえば、おかやま工房さんのパンも無添加ですよね。共通点みっけ!」

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河上さん
「そうですね、やっぱりうちのおかやま工房代表が・・あ、一応わたしが娘なんです

田町新聞
「え!?お、お嬢様だったの!?」

河上さん
「ふふ。あと弟がいるんですけど子供の頃ぜんそく持ちでからだが弱かったんです。わたしもアトピーなどアレルギーを持っていて・・」

田町新聞
「まぁ!それでは食べものなどに敏感になりますわよね、お嬢様」
※急に口調がおかしくなる田町新聞

河上さん
「そうなるとやっぱり口にするものは添加物などなるべく抑えたほうがいいんじゃないかということで、無添加の生地は扱いが難しかったり日持ちもしないんですけどこだわって作っています」

田町新聞
「なんてことでしょう!そのこだわりに、胸アツですわ」

河上さん
「基本的にハラルフードっていうのは『安心して口にしていいものかどうか』っていうところだけ、と向こうの方もおっしゃるんです。材料がしっかりと把握できていてどういったものを使っているのかを認識していればいいので、本当にからだにいいもの、無添加の生地というところがリンクしたところで、じゃあハラルのお店を出してみようかという話になったんです」

田町新聞
「ということは、ムスリムのお方はもちろん、他のお方も安心して召し上がれ~ラララ~♪ということですわね!」

河上さん
「そうなんです!日本でまだそこまで浸透はしていないので、ハラルフードはムスリムの方しか食べないものというイメージはあると思うんです」

田町新聞
「ええ、知らないと近寄りがたいといいますか・・」

河上さん
「そうなんですよね。からだにいいもの、安心して食べられるものがハラルフードだよっていうのを伝えていければなと思っているんです」

田町新聞
「では、ただの腹ペコジャパニーズピーポーでも気軽にうかがってよろしいでしょうか」

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河上さん
「大丈夫です(笑)ぜひお越しください」

ひゃっはーーー!!
行くなっちー!行くなっちー!

※突然ふなっしー、じゃなくてたまっちー(未公開)に変身する田町新聞

田町新聞
「なんでたまっちー、いや、田町を選んだんですか?」

河上さん
「このあたりは大使館が多くて、インドネシアやブラジルの大使館もありますしムスリムの方たちが多いんです。慶応大学の中にもムスリムの方の『お祈り部屋』があるんです」

田町新聞
「えー『お祈り部屋』!?」

河上さん
「はい。慶応大学にはムスリムの学生もたくさんいますので・・その『お祈り部屋』では1日5回お祈りをされているんですけど、その方たちも近くにあれば食べにこれますので。それに六本木も近いですし、海外の方が行き来しやすいエリアが田町とか三田だったんです」

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国際的な町、田町!(イメージ)

田町新聞
「あの・・パンだけをどこかで売ることって出来ますか?」

河上さん
「えっと、一応このお店で販売の許可が下りているので外に出ちゃうと・・」

田町新聞
「ハラルではないと!?」

河上さん
「はい、そうです」

田町新聞
「厳しいですね~(笑)」

河上さん
「だいぶ厳しいですね!(笑)
うちのパンを卸すこと自体は可能です。その場合は、全てを個包装して・・基本的には無添加生地なのでその日に食べてもらうということになります」

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田町新聞
「早速いただきたいんですが、いちばん人気のパンってどれですか?」

河上さん
「圧倒的に多いのは『塩バターロール』です。テレビで紹介されているみたいで、いま全国のパン屋さんで人気みたいです。予約で20本~30本出ることもあります」

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塩バターロール

田町新聞
「わー!オーブンから出てきたばかりの焼き立て!
ふっかふかであったか~い。バターの香りと岩塩の塩気、ふわっと広がる優しい甘さ・・たまらん!」

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ふかぁ・・

いままで添加物もりもりのジャンクフードとか深夜のラーメン餃子やコンビニ飯ばっかり食べてきた・・そんな田町新聞でも身体にいいものだってわかる。

ハラル認証どころか、もうメタボ認証しか受けられないけどね!

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具だくさんのチキンカレーパン

河上さん
「ムスリムの方に人気なのは『チキンカレーパン』です。日本のカレーのルーにはだいたい豚のエキスが入っているのでここではスパイスから手作りしています。肉もうちではハラルチキンを取り入れているので、『肉を食べられる』ってことでこぞってこのチキンカレーパンを求められます。カレーパンを日本で食べたことないという方たちばかりです」

田町新聞
「外側は香ばしくカリッと揚がっていて中のカレーはピリ辛で、チキンと野菜をちゃんと味わえるから満足感ありますね」

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くるみパンにミルククリームをはさんだナイスなスティックとか、チョコをくるんだクロワッサンとか

河上さん
「ミルククリームもチョコレートも承認機関の了承を取っていないとハラルとはいえないんです。甘いものってムスリムの方も好きなんですが、日本に来てまだお菓子やケーキを食べたことありませんという方たちもたくさんいらっしゃるんです」

田町新聞
「うわ、お菓子食べられないの辛いな~」

河上さん
「ハラルの材料を販売しているお店に行って自分たちで作るっていう状態なようで。とくに留学生の方たちは日頃は勉強しているのでいちから作るのは大変みたいで、お店で安心して食べられるのはやっぱりありがたいと言ってもらえるんです」

田町新聞
「ふむふむ。こちらのカフェスペースでは買ったパンを食べることができるんですか」

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安心してください、こちらでも食べられますよ。

河上さん
「はい。ピザ専用の窯があるのでオーダーをいただいてから2~3分でできるナポリピッツァもあります。焼き立てを食べられますし、テイクアウトもできます」

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ナポリピッツァ(マルゲリータ)

小ぶりの薄い生地に、モッツァレラとバジルとトマトソースが乗ったシンプルなピザ。
早速いただきまーす。ぱくっ。

なに・・この安心感・・

からだにすーっと吸収されていく・・

オーガニックとかヘルシーフードとかにまったく興味なかった編集長が、「なにこれ、からだに自然に入ってくる。すごいな。はじめて食べた」と。

田町新聞
「飲み物だけの注文でも大丈夫ですか?」

河上さん
「はい大丈夫ですよ」

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東南アジアではポピュラーな「インヤン茶」

コーヒーと紅茶で割ってコンデンスミルクを入れたお茶とのこと。
これが田町新聞の想像を軽く超えた不思議なお味!こういうのってあとでクセになるんだよね・・

ちなみにムスリムの方にとっては「懐かしい味」だそう。

田町新聞
「無添加なもの・・という点ではオーガニックとかナチュラルフードのお店にもハラルな商品がありそうですね」

河上さん
「そうですね、ただ、うちのようにハラル認証店舗としては、そのお店内にひとつでもハラルでないものを持ち込んではいけないという決まりがあります。すべてがハラルでないとダメなんです」

田町新聞
「1個でもダメ、絶対!?キビシイ~」

河上さん
「はい。すべての許可を取るのがいちばん苦労しましたね・・」

田町新聞
「ということは、こちらならムスリムの方はどれを買っても安心なんですね。無添加でからだに安心という点では、小さなお子さんにも安心ですね」

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お子さんにはいちごのペストリーやくるみるくなどが人気!

河上さん
「そうですね、やっぱりお母さんはお子さんのからだのことを第一に考えますので、アトピーやアレルギーといったものはちょっとした添加物が蓄積されてなってしまったりするので、そこらへんは敏感ですね。安心なものをお子さんに召し上がっていただきたいと思っております」

河上さん自身がアトピーやアレルギーを経験しているからこそのお言葉。お嬢様、しかと受け止めましたぞ!

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こちらのお店のスタッフは15人中13人がムスリムということで、インドネシア、ブラジル、シリア、エジプトなど各国の方々が働いています。ガラス越しに見ているとみなさん丁寧な仕事ぶりで、ほんわか穏やかなムード。

最後に、ヒジャブを巻いたスタッフのウランさんに感想をうかがいました。

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ヒジャブに小麦粉ついてるよー(笑)

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ウランさん(インドネシア出身、現在立教大学大学院2年生)

ウランさん
「このお店は友達から聞いて知りました。仕事は面白いです。いい経験。食事はほとんど自炊で、日本に来てからはパンを買うことが出来なかったけど、ここでやっと食べられるようになりました」

そしていちばん好きなパンは、やっぱりカレーパン!
パン生地をこねていたところ急に呼び出されて、とまどいつつもにこにこ笑顔がかわいいウランさんでした。

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ムスリムのみなさん、田町には安心して食べられるパン屋さんがありますよ!
無添加に惹かれるYOUも、優しさを求めるYOUも、ぜひ一度訪れてみませんか。

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ハラル・ベーカリーカフェ・リエゾン
港区三田4-1-9 三田ヒルサイドビル1F
営業時間:10時~18時(定休日:金曜日)

おかやま工房
http://www.okayamakobo.co.jp/
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